夜職の恋愛で嫉妬しやすい理由とは?感情ではなく条件から整理する

最終更新:2026-08-28

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結論から書きます。夜職の恋愛で嫉妬が起きやすいのは、どちらかの性格や愛情の量の問題ではなく、「確かめようがない」という状態を作る条件が、同時にいくつも成立しているからです。

条件は四つあります。①仕事の内容そのものが「客と親しくすること」である、②勤務している時間帯に連絡が取れない、③客と一緒の写真や成績が外から見える、④収入の出どころと内訳が見えにくい。この四つは、どれも本人の意思で選んだものではなく、店の営業形態と、それを規律する法令と、業界の運用が組み合わさって生まれています。

だからこの記事は、気持ちの持ち方の話をしません。条件のほうを動かす方法だけを書きます。 相手を調べる方法、疑いを確かめる方法は一切扱いません。それは条件を動かさないまま関係だけを消耗させる方向で、しかも後で述べるとおり、行き過ぎると法律の側から止められる行為です。

この記事で分かること

  • 嫉妬を「感情」ではなく「条件」として見ると、何が変わるのか
  • 条件1:接待という仕事の中身が、法令上どう定義されているか
  • 条件2:勤務時間が読めなくなる仕組み(営業時間の制限とシフト制)
  • 条件3:客との写真や順位が外に出る仕組み(広告宣伝の規制と、2025年の通達)
  • 条件4:収入が「見えにくい」ことに理由がある(給与か報酬かで書類が変わる)
  • 四つの条件が重なると、何が起きるか
  • 条件を動かす三つの持ち場——店の規定、線引き、記録の共有
  • 監視の方向に進んだときに、どこで法律が止めるか

嫉妬を「感情」ではなく「条件」で見る

同じ人でも、条件が変われば起きたり起きなかったりする

嫉妬の話は、たいてい「どちらが悪いか」に流れます。信じられないほうが心が狭いのか、疑わせるほうが不誠実なのか。この問い方は、答えが出ないうえに、次に何をすればいいかも出てきません。

代わりに「どんな条件がそろうと、確かめようがない状態になるか」を並べると、手当てできる場所が見えます。 嫉妬という感情は、多くの場合「情報が足りない」と「その不足を自分では埋められない」が同時に起きたときに強く出ます。夜職は、この二つが構造的にそろいやすい働き方です。

四つの条件

条件何が起きるか動かせる場所
①仕事の中身が「親しくすること」好意の表現そのものが業務になる業務と私生活の線引き、店の規定
②勤務中に連絡が取れない空白の時間が生まれ、想像が埋めるシフトの通知ルール、連絡の取り決め
③写真や成績が外から見える断片だけが繰り返し目に入る掲載範囲の取り決め、アカウントの分離
④収入の内訳が見えない数字の裏側を想像するしかなくなる明細・契約書という既存の書類

以下、ひとつずつ、何がその条件を作っているのかを見ます。

条件1|仕事の内容が「客と親しくすること」である

「接待」は法令の言葉である

まず押さえておきたいのは、これが業界の慣習ではなく、法令が名前を付けた業務だということです。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第2条第1項第1号は、風俗営業のひとつを「キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業」と定めています。そして同条第3項は、「接待」とは「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」だと定義しています。

つまり、客をもてなして楽しい雰囲気を作ること自体が、許可の対象になっている業務内容です。「客と親しくしないでほしい」という要望は、条文の言葉に置き換えると「その営業をしないでほしい」とほぼ同じ意味になります。 ここを曖昧にしたまま話し合うと、片方は「気遣い」を求めているつもりで、もう片方は「退職」を求められていると受け取る、というずれが起きます。

それでも、線は法令の側にも引かれている

一方で、好意の感情に何をしてもいいわけではありません。2025年(令和7年)の風営法改正で、接待飲食営業を営む風俗営業者の遵守事項として第18条の3が新設され、その第2号は、客が接客従業者に恋愛感情その他の好意の感情を抱き、かつ接客従業者も同様の感情を抱いていると誤信していることを知りながら、これに乗じて客を困惑させ、遊興または飲食をさせることを禁じています。

警察庁が公表した改正の概要は、この部分を「客の恋愛感情等につけ込んだ飲食等の要求」と呼んでいます。恋愛感情を持たせること自体が禁じられたわけではなく、それに乗じて困惑させ注文させる場面に線が引かれたという構造です。条文の細かい要件と罰則の関係は2025年改正の記事と色恋営業の記事にまとめてあるので、ここでは繰り返しません。

「優しさ」と「本気」を切り分ける話は、別の軸

パートナー側が知りたいのは多くの場合、条文ではなく「あの態度は仕事なのか本気なのか」でしょう。ただしこれは、この記事が扱う「条件」とは別の軸の問題です。 接客としての好意表現と、私的な感情をどう見分けるかは接客の優しさと本気の恋の違いで扱います。

条件の話に限って言えば、ここでできることは一つです。「業務としての親しさ」の範囲を、店の規定と本人の運用の両方で言葉にしておくこと。 具体的には、連絡先の交換をどうしているか、店外で会う制度(同伴・アフター)に応じているか、SNSのアカウントを業務用と私用で分けているか。これらは店ごとに規定が違い、業界共通のルールはありません。だからこそ、自分の店がどうなっているかを一度確かめておく価値があります。

条件2|勤務している時間帯に、連絡が取れない

夜に固まるのには理由がある

働く時間が夜に寄るのは、生活習慣の問題ではなく制度の問題です。

風営法第13条第1項は、風俗営業者は深夜(午前零時から午前六時まで)は営業してはならないと定め、ただし都道府県の条例に特別の定めがある場合は、条例で定める地域に限り、午前零時以後の条例で定める時まで営業できるとしています。接待をする店はこの枠の中で動きます。接待をしない深夜営業の店は別の枠組みで、営業時間の考え方も変わります(詳しくは営業時間のルール)。

労働の側からも同じ時間帯に線があります。労働基準法第37条第4項は、午後十時から午前五時までの間に労働させた場合、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないと定めています。つまり「深夜」の線は、営業の側(午前0時〜午前6時)と、賃金の側(午後10時〜午前5時)で別々に引かれています。

結果として、パートナーが起きている時間帯と、本人が働いている時間帯が、制度的にずれます。 これは誰かの都合ではありません。

シフトが直前まで確定しない

もうひとつ、時間が読めなくなる要因があります。厚生労働省は「シフト制」を、労働契約の締結時点では労働日や労働時間を確定的に定めず、一定期間ごとに作成される勤務シフトなどで初めて具体的な労働日や労働時間が確定する勤務形態と説明しています(「シフト制」労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項)。

同じ資料は、労働条件通知書に単に「シフトによる」と書くだけでは不足で、労働日ごとの始業・終業時刻を明記するか、原則的な時刻を記載したうえで一定期間分のシフト表を交付する必要があるとしています。さらに、トラブル防止の観点からシフトの通知期限・通知方法、確定後の変更やキャンセルの手続などを労使で話し合って決めておくことが考えられる、と挙げています。いったん確定した労働日や労働時間の変更は、基本的に労働条件の変更にあたり、使用者と労働者双方の合意が必要とも書かれています。

「返信がない」が「隠している」に化ける仕組み

ここまでを並べると、条件2の正体が見えます。①働く時間帯がずれている、②その時間帯の予定が直前まで確定しない、③店内で連絡端末をどう扱うかは店の規定次第で外からは分からない。この三つが重なると、「返信がない」という一つの事実に対して、説明のつく理由が複数ある状態になります。理由が複数あって、しかもどれかを確かめる手段がないとき、想像が空白を埋めます。

動かせるのは、③ではなく②です。 シフトの通知期限と通知方法は、厚生労働省の資料が「決めておくことが考えられる」と名指ししている項目です。店側に確認して、通知のタイミングと形(例:毎月◯日までに電子メールで通知)がはっきりすれば、少なくとも「いつ働いているか」は事前に共有できる情報になります。これは相手を監視するための情報ではなく、もともと労働条件として明示されるべき情報です。

条件3|客と一緒の写真や、成績が、外から見える

店の宣伝は営業の一部である

SNSに客との写真が出ることを、個人の判断だと受け取ると話がこじれます。実際には、宣伝は営業の一部として法令の規制対象になっています。

風営法第16条は、風俗営業者は、その営業につき、営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で広告又は宣伝をしてはならないと定めています。短い条文ですが、2025年にこの条文の使われ方が具体化されました。

2025年6月の通達が名指しした表示

警察庁は令和7年6月4日付けで「接待飲食営業における広告及び宣伝の取扱いについて」という通達を出し、接客従業者の営業成績を直接示す文言(例:「指名数No.1」「億超え」)、成績上位を推認させる役職名(例:「総支配人」「覇者」)、ランキング制自体や競争を強調する文言(例:「売上バトル」「SNS総フォロワー数◯万人」)、客に特定の従業者を応援するようあおる文言(例:「◯◯を推せ」)にあたる広告・宣伝は、態様に応じて第16条の規制違反に該当すると解される、と示しました。

通達はその理由も書いています。こうした表示は、客には好意を抱く従業者の成績を上げるために高額の遊興や飲食をする意欲をそそらせ、従業者には成績を上げるために違法行為もいとわない意識を醸成させる、というものです。

ここが条件3の核心です。客と従業者の距離感を強調する見せ方は、たまたま起きているのではなく、集客のために設計されていた側面がある。 そして行政は、それが行き過ぎると規制の対象になると明示した。パートナーが見て動揺する投稿は、多くの場合、店の営業設計の出力です。

写真そのものにも別の扱いがある

写真には、宣伝規制とは別の観点もあります。個人情報保護委員会は、公表しているQ&Aで、本人を判別可能な写真の画像は個人情報に該当するとしています(会社行事の写真の社内展示に関する回答)。同じ回答は、プライバシー権や肖像権の侵害の可能性があるため、不特定多数への提供に際しては自主的に本人の同意を得るなどの取組が望ましい、とも述べています。これは事業者向けの一般的な説明であり、個別の事案の結論を決めるものではありません。

動かせる条件は「掲載範囲」です。 業務用アカウントと私用アカウントを分けているか、客と写った写真をどこまで出す運用なのか、店の公式アカウントに転載される可能性があるか。これらは店とスタッフの間で決まっている運用であって、隠し事ではありません。先に共有しておけば、投稿が出るたびに解釈をやり直す必要がなくなります。

条件4|収入の出どころと内訳が見えにくい

給与か報酬かで、出てくる書類が変わる

夜の店の支払いは、雇用契約に基づく給与のこともあれば、業務委託の報酬のこともあります。どちらかで、本人の手元に残る書類がまるで違います。 ここが「内訳が見えない」という印象の実務的な原因です。

給与として支払われる場合、労働基準法第24条第1項が賃金は通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならないと定め、控除は法令や労使協定などがある場合に限られます。さらに所得税法第231条第1項は、給与等を支払う者はその金額その他必要な事項を記載した支払明細書を、支払を受ける者に交付しなければならないと定めています。明細が出ること自体は義務です。

業務委託の場合は、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(いわゆるフリーランス法)第3条第1項が、業務委託をした場合は直ちに、給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項を書面または電磁的方法で明示しなければならないと定めています。同法第4条第1項は、報酬の支払期日を給付を受領した日から起算して60日以内に定めなければならないとしています。

源泉徴収の仕方も、一般の給与とは違うことがある

もうひとつ、数字が直感と合わなくなる要因があります。国税庁のタックスアンサーNo.2807は、バーやキャバレーの経営者などが居住者であるホステス等に報酬・料金を支払うときは源泉徴収が必要で、報酬・料金の額から「5,000円にその報酬・料金の計算期間の日数を乗じた金額」を差し引いた残額に10.21%の税率を乗じて算出すると説明しています。

同じ「手取り」でも、給与として計算されたものと、この方式で源泉徴収されたものでは、差し引かれ方が違います。 説明を求められた側が「自分でもうまく説明できない」と感じる場面は珍しくなく、それが「はぐらかされた」と受け取られることがあります。なお、店ごとに契約形態が異なるため、どの店がどちらに当たるかを一般化することはできません。税の取扱いは一般的な情報であり、個別の事情によって結論が変わります。

動かせる条件は「書類を出せる形にすること」です。 明細の交付も、業務委託の条件明示も、もともと法律が求めているものです。金額を毎回口頭で説明し直すより、既にあるはずの書類を一度そろえるほうが、説明の負担も、聞く側の不安も小さくなります。費目の内訳そのものは夜職でかかる費用の記事、契約書の読み方は夜職の契約書の記事にまとめています。

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四つの条件は、たいてい同時に起きる

ここまでの四つは、単独ならそれほど負荷になりません。問題は重なり方です。

夜に働いていて(条件2)、その仕事の中身が客と親しくすることで(条件1)、その様子の断片がSNSに出ていて(条件3)、その対価の内訳が説明されない(条件4)。四つがそろうと、「確かめる手段がない」ことのほうが常態になります。

さらに厄介なのは、四つのうち三つまでが本人の意思とは無関係に決まっていることです。営業時間は法令と条例、勤務時間帯の割増は労働基準法、広告の見せ方は店の営業設計と行政の規制、支払方法は契約形態。本人が「気をつける」で動かせる部分は、実はかなり狭い。

だからこの状況で「気をつけてほしい」と頼み合うと、両方が消耗します。 頼まれた側は動かせない条件について責められていると感じ、頼んだ側は要望が通らないことを愛情の不足と読み替えます。条件を条件として名指しすることには、この誤解を止める実用的な効果があります。

条件を動かす——三つの持ち場

持ち場1|店の規定を確かめる

まず、動かせる条件のかなりの部分は、店とスタッフの間の取り決めとして既に文書になっています。労働条件通知書または業務委託の明示書面、就業規則、SNSの運用ルール、連絡端末の扱い。これらは相手を調べて得る情報ではなく、本人が受け取っているはずの書類です。

そろっていない場合、それは二人の関係の問題ではなく、労働条件の問題です。厚生労働省の資料が挙げていたシフトの通知期限や変更手続も、ここで確認する項目に入ります。相談先は都道府県労働局と労働基準監督署等に設置されている総合労働相談コーナーです。

持ち場2|営業と私生活の線引きを、言葉にする

次に、店の規定だけでは決まらない部分を、二人の間で決めます。決めるのは相手の行動ではなく、「どこからが業務で、どこからが私生活か」という区分そのものです。

  • 業務用の連絡手段と私用の連絡手段を分けているか
  • 店外で会う制度(同伴・アフター)に応じるかどうかと、その頻度の目安
  • 業務用SNSに何を出し、私用アカウントは公開するかどうか
  • 勤務中に連絡が取れない時間帯の範囲

この区分は、守れているかを検査するためのものではありません。 区分が決まっていれば、「その連絡は業務の側にある」と分類できるようになり、一件ごとに意味を解釈し直す作業が要らなくなります。嫉妬の消耗の大半は、この解釈のやり直しに使われています。

なお、仕事と恋愛の距離の取り方は人によって大きく違い、共通の正解はありません。実際にどう分けている人がいるのかは仕事と恋愛の分け方の記事にまとめます。

持ち場3|記録は「共有する」もので、「集める」ものではない

三つ目が、いちばん取り違えられやすい持ち場です。

共有していいのは、もともと文書として存在しているものです。 シフト表、給与明細や支払明細書、業務委託の明示書面、店のSNS運用ルール。これらを二人の間で見える場所に置くと、確かめる作業そのものが不要になります。出所がはっきりしていて、後から書き換えられず、説明の手間もかかりません。

共有に含めてはいけないのは、相手の行動から新しく作り出す記録です。 位置情報、通信の履歴、端末の中身。これらは「不安を減らすため」に始まっても、減らす対象が増え続ける性質があります。前者は不足していた書類を補う行為で、後者は新しい監視の仕組みを作る行為です。同じ「共有」という言葉でも、まったく別のことをしています。

監視の方向に進むと、法律の側で止まる

疑いを確かめる方向に進んだとき、どこで止まるのかは知っておく価値があります。恋人や配偶者であっても例外ではありません。

ストーカー行為等の規制等に関する法律第2条第1項は「つきまとい等」を定義し、その第2号にその行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くことを挙げています。同条第3項は「位置情報無承諾取得等」を定義し、その承諾を得ないで、所持する位置情報記録・送信装置により記録・送信される位置情報を取得することや、その承諾を得ないで、所持する物にそうした装置を取り付けることを含めています。

同法第3条は、何人も、つきまとい等または位置情報無承諾取得等をして、その相手方に身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせてはならないと定めます。同法第4条以下には警告や禁止命令等の手続が置かれています。

位置情報の共有アプリについて補足すると、条文は「その承諾を得ないで」を要件にしています。 双方が納得して共有しているうちは同法の位置情報無承諾取得等には直ちに当たりません。ただし承諾は撤回できるもので、撤回された後の取得は要件を満たしうる、という関係にあります。「一度入れたから、ずっと見ていい」という理解にはならないと押さえておくのが安全です。ここは一般的な説明で、個別の事案の判断は事情によって変わります。

不安が強くなって自分でも止めにくいと感じるとき、また相手の行動に不安を覚えるときの相談先は警察相談専用電話#9110の記事にまとめています。

よくある質問

Q1. 嫉妬してしまう自分は、心が狭いのでしょうか。

この記事の立場では、それは判定できない問いです。四つの条件がそろっているかどうかは、性格とは独立に確かめられます。 条件がそろっていれば、情報の不足は誰にでも起きます。まず条件のほうを点検してください。

Q2. 「客と親しくしないでほしい」と頼むのは、無理な要求ですか。

風営法第2条第3項が「接待」を「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と定義している以上、接待をする店で働きながら客と親しくしないことは、業務内容と両立しません。 頼めるとすれば「業務としての親しさ」と「私生活」の区分をはっきりさせることのほうで、そこには話し合いの余地があります。

Q3. 勤務中に連絡が取れないのは普通ですか。

端末の扱いは店ごとの規定で決まり、業界共通のルールはありません。ただし、いつ働くかについては、労働条件として明示される項目です。 厚生労働省の資料は、労働条件通知書に「シフトによる」とだけ書くのでは足りないとしています。連絡の可否ではなく、シフトの通知ルールから確認するほうが具体的に進みます。

Q4. 客との写真がSNSに出るのは、店の決まりなのでしょうか。

店によって運用が違うため、一般化できません。ただ、宣伝は営業の一部として風営法第16条の規制対象で、警察庁は2025年6月の通達で、成績やランキングを強調する表示が規制違反にあたりうると示しています。「個人が好きでやっている」とは限らない領域だとは言えます。実際の運用は本人と店に確認するしかありません。

Q5. 収入の内訳を教えてもらえません。隠されているのでしょうか。

隠しているとは限りません。給与なら所得税法第231条第1項により支払明細書の交付が義務づけられており、業務委託ならフリーランス法第3条第1項により報酬の額などの明示が求められます。 まず、それらの書類が本人の手元にあるかを確認するのが先です。書類が出ていないなら、それは二人の間の問題ではなく、支払う側との間の問題です。

Q6. 位置情報アプリの共有を提案されました。応じるべきですか。

判断は当事者次第ですが、条文上の位置づけは知っておいてください。ストーカー規制法第2条第3項は「承諾を得ないで」位置情報を取得することを規制対象としており、承諾がある間と、承諾が撤回された後では扱いが変わります。 「不安を減らすため」に始めた仕組みが、後で外しにくくなるかどうかも、始める前に話しておくほうが安全です。

Q7. 相手の端末を見たい気持ちが抑えられません。

その衝動自体を責める必要はありませんが、実行の側には線があります。行動を監視していると思わせる事項を告げること(同法第2条第1項第2号)は、つきまとい等として定義された行為です。 そして端末を見ても、四つの条件はひとつも動きません。動かせるのはシフトの通知ルール、掲載範囲の取り決め、明細の共有のほうです。

Q8. 話し合っても平行線です。どこに相談できますか。

内容によって窓口が分かれます。労働条件・シフト・明細に関することは、都道府県労働局と労働基準監督署等に設置されている総合労働相談コーナー。業務委託の契約や報酬に関することはフリーランス・トラブル110番。相手の言動に不安を覚える場合は、警察相談専用電話#9110があります。「恋愛の悩み」としてひとまとめにせず、条件ごとに窓口を分けるほうが、答えが返ってきやすくなります。

まとめ

  • 夜職の恋愛で嫉妬が起きやすいのは、①仕事の中身が客と親しくすること、②勤務中に連絡が取れない、③写真や成績が外から見える、④収入の内訳が見えにくい、という四つの条件が同時に成立するため
  • ①は風営法第2条第1項第1号・第3項が定義する「接待」そのもの。ただし2025年改正の第18条の3第2号は、好意の感情に乗じて困惑させ注文させる場面に線を引いた
  • ②は営業の側(風営法第13条第1項=午前0時〜午前6時)と賃金の側(労働基準法第37条第4項=午後10時〜午前5時)で別々に引かれた深夜の線と、シフト制の運用が重なって生まれる
  • 厚生労働省の資料は、労働条件通知書に「シフトによる」とだけ書くのでは足りず、シフトの通知期限・通知方法・変更手続を決めておくことが考えられるとしている
  • ③は宣伝が営業の一部だから起きる。風営法第16条と、2025年6月4日付けの警察庁通達が、成績やランキングを強調する表示は規制違反にあたりうると示した
  • ④は給与か業務委託かで交付される書類が違うことに起因する。支払明細書の交付(所得税法第231条第1項)も、業務委託の条件明示(フリーランス法第3条第1項)も、もともと義務
  • 動かせる持ち場は三つ。店の規定を確かめる/業務と私生活の区分を言葉にする/もともと文書になっている記録を共有する
  • 位置情報や端末の中身のように、相手の行動から新しく作る記録は、共有ではなく監視にあたる。ストーカー規制法第2条第1項第2号・第3項・第3条が線を引いている
  • 法律・税金に関する記述は一般的な情報であり、個別の事情によって結論は変わる

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参考情報

  • e-Gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000122
  • e-Gov法令検索「労働基準法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
  • e-Gov法令検索「ストーカー行為等の規制等に関する法律」 https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0100000081
  • e-Gov法令検索「所得税法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033
  • e-Gov法令検索「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」 https://laws.e-gov.go.jp/law/505AC0000000025
  • 警察庁「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律(概要)」 https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/hoan/hostclubto/070528huueihougaiyou.pdf
  • 警察庁「接待飲食営業における広告及び宣伝の取扱いについて(通達)」(令和7年6月4日付け丁保発第104号) https://www.npa.go.jp/laws/notification/seian/hoan/250603koukokusenden.pdf
  • 警察庁「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律の施行等について(通達)」 https://www.npa.go.jp/laws/notification/seian/hoan/250606sekoutuutatsu.pdf
  • 警察庁「悪質ホストクラブ対策について」 https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/hoan/hostclubto/hostclubto.html
  • 厚生労働省「『シフト制』労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項」(リーフレット) https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000870906.pdf
  • 国税庁 タックスアンサー No.2807「ホステス等に支払う報酬・料金」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2807.htm
  • 個人情報保護委員会「会社の行事で撮影された写真などを、当社内で展示する場合、写真に写っている本人からあらかじめ同意を得る必要がありますか。」 https://www.ppc.go.jp/all_faq_index/faq1-q7-11/

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