結論から書きます。「色恋営業」とは、接客する側が客に恋愛感情に近い関係を感じさせながら来店と注文につなげていく営業の仕方を指す、業界内の呼び名です。法令にこの言葉はありません。 公的な文書では「恋愛感情等に付け込む」という書き方をされます。
そしてもうひとつ、2026年時点で押さえておくべき結論があります。2025年(令和7年)の風営法改正で、色恋営業のうち「これを言って注文させたらアウト」という線が、条文の言葉として引かれました。 施行は同年11月28日です。ただし禁じられたのは疑似恋愛そのものではありません。条文はもっと細かく、複数の条件が全部そろったときだけ違反になる作りになっています。
この記事は、その線がどこに引かれたのかを主題にします。料金の組み立ては料金システムの記事、指名の仕組みは指名料の記事に譲り、ここでは「関係性がお金に変わる場面」に法律がどう手を入れたかだけを扱います。
この記事で分かること
- 「色恋営業」という言葉の立ち位置と、公的文書での言い換えられ方
- 公的な報告書が指摘する、色恋営業に共通する構造上の特徴
- 改正風営法第18条の3第2号が名指しした二つの言い方と、違反成立に必要な条件
- 罰則が付くのはその先——第22条の2と、実際の逮捕事例
- なぜ「色恋営業=違法」ではないのか(立法過程で議論された恋愛の自由)
- 客側が使える民事のルール——消費者契約法第4条第3項第6号との三つの違い
- 働く側が負うリスク(職業安定法・労働基準法・個人情報保護法)
- 確認しておきたいことと、相談先
色恋営業とは何か——呼び名と、公的な書かれ方
業界の呼び名であって、法律用語ではない
まず前提です。「色恋営業」は業界内で使われてきた言い回しで、風営法にも、厚生労働省の職業分類にも、この語は出てきません。 定義を定めた機関がない以上、「どこからが色恋営業か」に業界共通の正解もありません。店ごと、人ごとに指す範囲が違います。
この記事で「一般に」と書く部分も、共通して観察される傾向という意味であって、どの店にも当てはまる規則ではないと読んでください。
公的文書では「恋愛感情等に付け込む」と書かれる
一方で、行政の側はこの現象を無視していません。警察庁が設置した悪質ホストクラブ対策検討会が2024年(令和6年)12月にまとめた報告書は、問題のある営業手法をこう書いています。初回に安い料金をうたって来店させ、社会経験の乏しさや担当ホストに対する恋愛感情等に付け込んで高額な注文をさせ、多額の借金を負わせる——という手法が「確立している」。
「色恋営業」という言葉は使われていませんが、指しているものは重なります。つまり公的文書における色恋営業とは、「恋愛感情等に付け込む」行為として把握されていると考えると分かりやすくなります。
ホストクラブだけの話ではない
色恋営業はホストクラブの文脈で語られることが多い言葉ですが、風営法上の枠組みはもう少し広く取られています。ホストクラブは風営法第2条第1項第1号の「設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業」(1号営業)に当たり、この1号営業にはキャバクラやスナックも含まれます。
検討会の報告書も「ホストクラブに限定して規制するのは困難」とし、規制対象は業態ではなく行為で切り出す方針を確認しています。さらに「営業に関する悪質な行為については、被害者の性別にかかわらず、規制することが適当」とも書かれています。後述する新しい条文が「接客従業者」「客」という性別を含まない言葉で書かれているのは、この判断の結果です。
なお報告書によれば、ホストクラブに当たるとみられる1号営業の営業所は、令和6年4月時点で全国におおむね1,000店舗、うち約30%が東京、約20%が大阪に所在するとされています。
色恋営業の特徴——「関係の継続」が売上に変わる構造
公的資料から読み取れる特徴を三つに整理します。いずれも「そういうホストが多い」という話ではなく、問題化した事案に共通して指摘されている構造です。
特徴1:関係が続くことが前提になっている
ホストクラブでは客が特定の相手を指名し、その相手(一般に「担当」)が接客の中心になります。検討会でも「継続的に担当者がついてマインドコントロールしている事例が見受けられるので、関係性や継続性というのが一つのポイント」という意見が出されました。単発の接客ではなく、関係の継続が土台になっている点が出発点です。 そのうえで、注文するかどうかが関係を続けられるかどうかの話に置き換わる——改正法が名指ししたのは、まさにこの場面でした。
特徴2:支払える額を超えて積み上がる
報告書は、高額な請求を受けた客が、内訳が示されないまま、戸惑いや不安から確認も指摘もできずに支払ってしまう問題を挙げています。また、自主的に「売掛金の禁止」を宣言した店でも、呼称を「立替金」等に変えただけで実質的な改善が見られないという指摘があったことも記録されています。名称ではなく、支払える額を超えて債務が積み上がる仕組みそのものが問題だ、という整理です。
特徴3:やり取りが店の外まで続く
改正法の適用事例として警察庁が公表しているものは、いずれもSNSのメッセージが行為の中身になっています。 店内での会話だけでなく、営業時間外の連絡までが対象に含まれることが、事例からうかがえます。
2025年の改正で引かれた線——風営法第18条の3第2号
改正の全体像
「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律」は2025年5月28日に公布され、同年11月28日までにすべての規定が施行されました。警察庁が公表した概要によれば、柱は四つです。
- 接待飲食営業に係る遵守事項・禁止行為の追加
- 性風俗店による「スカウトバック」(紹介料支払い)の禁止
- 無許可営業等に対する罰則の強化(2年以下→5年以下の拘禁刑、200万円以下→1千万円以下の罰金、法人への罰金は200万円以下→3億円以下)
- 風俗営業からの不適格者の排除(欠格事由の追加)
色恋営業に直接関わるのは1です。
条文が名指しした二つの言い方
新設された第18条の3は「客の正常な判断を著しく阻害する行為の規制」という見出しで、1号営業を営む風俗営業者がしてはならない行為を三つ挙げています。第1号は料金についての虚偽・誤認説明、第3号は注文前に飲食等を提供して困惑させること。そして第2号が色恋営業に対応する規定です。
第2号は、客が接客従業者に恋愛感情その他の好意の感情を抱き、かつ相手も自分に同じ感情を抱いていると誤信していることを知りながら、これに乗じて、次のいずれかを告げて客を困惑させ、それによって遊興・飲食させることを禁じています。
- イ:遊興・飲食をしなければ、その接客従業者との関係が破綻することになる旨を告げること
- ロ:その接客従業者が意に反して受ける降格・配置転換その他の業務上の不利益を回避するためには、客が遊興・飲食をすることが必要不可欠である旨を告げること
注目すべきはロです。 「使ってくれないと自分が降格させられる」「席を外されてしまう」という趣旨の伝え方が、条文の言葉として書き込まれました。イが「関係が終わる」という言い方を捉えるのに対し、ロは「相手が困る」という言い方を捉えています。現場で使われてきた説得の型が、そのまま立法対象になったと読める部分です。
全部そろって初めて違反になる
大事なのは要件の数です。第2号に当たるには、次の要素が積み重なる必要があります。
- 客が接客従業者に好意の感情を抱いている
- 相手も同様の感情を抱いていると客が誤信している
- 店側がそれを知っている
- それに乗じて、イまたはロを告げる
- それによって客が困惑し、遊興・飲食をした
「好きだと思わせる」だけでは、この条文には当たりません。 誤信の認識と、条文が挙げた告知と、困惑と、その結果としての飲食が、線でつながって初めて違反になります。ここを曖昧に理解すると、法律の内容を誤って伝えることになります。
違反したらどうなるか
第18条の3は「遵守事項」に位置づけられており、それ自体に直罰はありません。効き方は行政処分です。 公安委員会は、風俗営業者やその代理人等が営業に関して法令に違反した場合、必要な指示をすることができ(第25条)、程度によっては6か月を超えない範囲での営業停止や、許可の取消しを命じることができます(第26条)。従業員個人の行為が、店の営業許可に跳ね返る構造です。
罰則が付くのはその先——第22条の2
同じ改正で、罰則付きの禁止行為として第22条の2が新設されました。1号営業を営む者に対し、次の二つを禁じるものです。
- 第1号: 注文や料金の支払等をさせる目的で、客を威迫して困惑させること
- 第2号: 客に対し、威迫し、又は誘惑して、料金の支払等のために、売春防止法その他の法令に違反する行為や、性風俗店での稼働、性行為映像制作物への出演、外国での売春などによって金銭その他の財産を得ることを要求すること
違反すると、6か月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその併科の対象になります(第53条第2号)。
「誘惑」という言葉の重さ
第2号に「誘惑」が入っている点は、色恋営業を考えるうえで見落とせません。 脅しだけでなく、好意を感じさせる働きかけによって支払いのための稼ぎを求める行為も、条文の射程に入っています。
警察庁が公表した改正法の適用事例には、実際にそれが表れています。ある事例では、SNSで支払いを迫るような威圧的なメッセージを送って客を威迫し困惑させたとして、ホストクラブ従業員が逮捕されました。別の事例では、「今日はこれだけ使ってほしい」「応援している」という趣旨のメッセージを送って客を誘惑し、料金の支払等のために売春して金銭を得ることを要求したとして逮捕されています。優しい言葉が、条文上は「誘惑」として評価され得るということです。
「色恋営業=違法」ではない理由
ここは誤解が生まれやすいので、立法過程にさかのぼって書きます。
検討会では、恋愛感情に付け込んで依存させる行為を規制する案について、こういう意見が出されました。恋愛の自由との関係で、規制の必要性・合理性と立法事実がなければ憲法との関係で問題がある。だから恋愛の自由それ自体を規制するのではなく、依存させて高額な遊興・飲食をさせる行為のように、恋愛に絡む悪質な行為に着目した形の規制にする必要がある——。
この整理がそのまま条文の作りに反映されています。禁じられたのは「疑似恋愛的な接客」ではなく、誤信を知りながらそれに乗じて特定の言い方で困惑させ、飲食させる行為です。報告書も繰り返し「規制の範囲が過度に広がらないよう、規制対象行為が明確なものとなるよう、慎重に検討する必要がある」と記しています。
したがって、「色恋営業をしている店は違法」という言い方は正確ではありません。 適法に営業している店が大多数であることを前提に、どの行為が線を越えるのかを見る、というのが法律の立て付けです。
客側が使える民事のルール——消費者契約法第4条第3項第6号
風営法は行政の規制です。支払ってしまったお金の話は、別のルートになります。
消費者庁は2023年11月30日付で「ホストクラブなどにおける不当な勧誘と消費者契約法の適用について」という周知文を出しています。ここで示されているのが、いわゆるデート商法の取消権、消費者契約法第4条第3項第6号です。
条文の中身
同号は、消費者が社会生活上の経験が乏しいことから、勧誘者に恋愛感情その他の好意の感情を抱き、かつ勧誘者も同様の感情を抱いていると誤信していることを知りながら、これに乗じ、契約を締結しなければ関係が破綻することになる旨を告げることを挙げています。これによって困惑して申込み等をしたときは、その意思表示を取り消すことができます。
風営法との三つの違い
似た構造ですが、押さえるべき違いがあります。
- 効果が違う。 風営法は行政処分・刑事罰につながるルール、消費者契約法は契約を取り消せるかどうかの民事ルールです。
- 要件が違う。 消費者契約法は「社会生活上の経験が乏しいこと」を条件に置いています。風営法第18条の3第2号にこの条件はありません。 また消費者契約法側には「関係が破綻する旨」しかなく、風営法側にある「降格・配置転換」の類型はありません。
- 動かし方が違う。 行政処分は公安委員会が行いますが、取消しは自分で相手方に意思表示をする必要があります。
なお消費者庁の資料は、「社会生活上の経験が乏しい」は年齢によって定まるものではなく、中高年であっても該当し得ると説明しています。また、破綻する旨を告げる方法は必ずしも口頭に限られず、消費者が実際に認識できるものであれば含まれ得るとも整理されています。メッセージのやり取りが残っている場合、それが手がかりになり得るということです。
期間と限界
取消権は無期限ではありません。消費者契約法第7条は、追認をすることができる時から1年、または契約締結の時から5年の経過で時効消滅すると定めています。
そして消費者庁自身が書いているとおり、これは民事ルールです。当事者が取消しを主張したうえで当事者間で解決する必要があり、最終的には個別の事案に即して司法の場で判断されます。 「条文に当てはまりそうだから当然に取り消せる」とは言えません。だからこそ、早い段階で消費生活センターや法テラスに相談する意味があります。
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働く側から見た色恋営業
色恋営業をめぐるリスクは、客の側だけにあるのではありません。接客する側にも、複数の法律がかかってきます。
職業安定法第63条
厚生労働省は、売掛金を返済させるために性風俗や売春などの仕事を紹介すること、マインドコントロールの手法を用いてこれを行うことは職業安定法で禁止されている、と明示しています。同法第63条は、精神または身体の自由を不当に拘束する手段による職業紹介等(第1号)と、公衆衛生・公衆道徳上有害な業務に就かせる目的での職業紹介等(第2号)を禁じ、1年以上10年以下の拘禁刑または20万円以上300万円以下の罰金という重い法定刑を定めています。
厚生労働省のQ&Aは、「恋愛感情の利用などマインドコントロールを用いて仕事を紹介することは、精神の自由を不当に拘束するものとして職業安定法違反となる可能性がある」とはっきり書いています。色恋営業という接客上の手法が、紹介の場面に持ち込まれた瞬間に、刑事の話に変わり得るということです。
給与から売掛金を引くこと
同じQ&Aには、店が客の売掛金をホストの賃金から控除することについての回答もあります。労働基準法では賃金は直接・全額を支払わなければならず、ホストが労働基準法上の労働者に当たる場合、客の売掛金を賃金から控除することは同法違反に該当する可能性があるとされています。労働者かどうかは契約の名称や形式ではなく、使用従属関係の実態で判断されます。
客の情報を店の外に出すこと
検討会では、客の情報を店の外へ出すことが個人データの第三者提供に当たり得るとして、個人情報保護委員会による行政処分の可能性まで議題に上がりました。
確認しておきたいことと、相談先
料金は「掲示と説明」で確認する
風営法第17条は、営業所で客に見やすいように料金を表示することを風俗営業者に義務づけています。関係性の話と、いま発生している金額の話は、切り分けて確認できます。 内訳が示されない請求に対して確認を求めることは、遠慮すべきことではありません。
注文していない提供は、制限の対象
第18条の3第3号は、客が注文等の意思表示をする前に飲食等を提供して困惑させ、それによって飲食等をさせることを制限しています。頼んでいないものが出てきたときに断るのは、法律の想定内の行動です。
記録は残る形にしておく
メッセージのやり取り、レシート、支払いの記録。消費者庁の整理からも警察庁の公表事例からも、やり取りの記録が判断材料になり得ることが分かります。
相談先
- 契約・請求のトラブル → 消費者ホットライン「188」(消費生活センターにつながります)
- 契約取消しの手続など法的トラブル → 法テラス 0570-078374
- 威迫を受けている、身の危険を感じる → 最寄りの警察署、または警察相談専用電話「♯9110」
- どこに相談すべきか分からない、居場所がない → 女性相談支援センター「♯8778」
- 性犯罪・性暴力の被害 → ワンストップ支援センター「♯8891」
相談は珍しいことではない
厚生労働省の月次集計では、女性相談支援センターが受けた悪質ホストクラブ等に関する相談は、2023年12月から2026年1月までの各月で18件から52件の範囲で推移しています(検討会報告書も「月に30件前後」と記載)。警察への相談受理件数も、報告書によれば令和3年2,044件、令和4年2,089件、令和5年2,675件、令和6年は10月末現在で2,362件。一人で抱えている状況は、統計の上でも例外ではありません。
よくある質問
Q1. 色恋営業は法律で禁止されているのですか?
「色恋営業」という行為そのものを禁じた条文はありません。 2025年の改正風営法が禁じたのは、客が相手も同じ感情を抱いていると誤信していることを知りながら、それに乗じて「注文しなければ関係が破綻する」「注文しないと自分が降格・配置転換される」という趣旨を告げ、困惑させて飲食させる行為です(第18条の3第2号)。要件が積み重なって初めて違反になります。
Q2. 改正法はいつから効いているのですか?
改正法は2025年(令和7年)5月28日に公布され、警察庁の案内では同年11月28日までにすべての規定が施行されたとされています。第18条の3と第22条の2を含む現行の条文は、2025年11月28日施行のものです。
Q3. ホストクラブ以外にも当てはまりますか?
第18条の3と第22条の2は「1号営業」全体にかかります。 1号営業には、ホストクラブのほかキャバクラやスナックも含まれます。検討会でも、規制はホストクラブに限らず、被害者の性別にもかかわらず及ぶべきだと整理されています。
Q4. 使ったお金は取り戻せますか?
一律には言えません。 消費者契約法第4条第3項第6号の要件に当たる不当な勧誘によって結んだ契約であれば、取消しを主張できる可能性があります。ただしこれは民事ルールで、最終的には個別事案に即して司法の場で判断されます。取消権には期間の制限(追認できる時から1年、契約時から5年)もあります。まず消費者ホットライン「188」や法テラスへ。
Q5. 「担当が降格される」と言われました。これは違反ですか?
それだけでは判断できません。 第18条の3第2号ロは、この告知に加えて「誤信を知りながらそれに乗じたこと」「困惑したこと」「それによって飲食したこと」を求めています。ただし、こうした言い方が条文に例示された類型であることは事実です。気になる場合は、その場で結論を出さず、記録を残して相談窓口に確認するのが確実です。
Q6. 好意が本物かどうか、見分ける方法はありますか?
ありません。そして法律も、それを見分けようとはしていません。 改正法が線を引いたのは感情の真偽ではなく、誤信に乗じた特定の働きかけと、その結果として生じた飲食です。判断材料になるのは相手の気持ちではなく、金額・内訳・支払い方法という目に見える部分です。
Q7. 働く側が知っておくべきことは何ですか?
紹介の場面に踏み込むと法律が変わります。 売掛金の返済のために性風俗や売春の仕事を紹介する行為は職業安定法第63条の対象で、厚生労働省は恋愛感情の利用などマインドコントロールを用いた紹介も同法違反となる可能性があるとしています。また、店が客の売掛金をホストの賃金から控除することは、労働者性が認められる場合に労働基準法違反となる可能性があります。
Q8. 店側にはどんな影響がありますか?
従業員個人の行為が営業許可に跳ね返ります。 第18条の3の遵守事項違反は公安委員会の指示(第25条)や営業停止・許可取消し(第26条)の対象となり、第22条の2の禁止行為違反には6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金という罰則があります(第53条第2号)。無許可営業等の罰則と法人への罰金額も、2025年の改正で大幅に引き上げられました。
この記事の要点
- 「色恋営業」は業界内の呼び名で、法令用語ではない。 公的文書では「恋愛感情等に付け込む」と表現される
- 舞台となる1号営業には、ホストクラブのほかキャバクラ・スナックも含まれる
- 2025年の改正風営法・第18条の3第2号が、二つの言い方を名指しした。 「注文しなければ関係が破綻する」(イ)と「注文しないと相手が降格・配置転換される」(ロ)
- ただし違反成立には、誤信の認識・それに乗じたこと・困惑・その結果としての飲食が全部必要。 疑似恋愛的な接客そのものが禁止されたわけではない
- 立法過程では恋愛の自由と憲法との関係が議論され、「恋愛に絡む悪質な行為に着目した規制」という形に落とし込まれた
- 第18条の3違反は行政処分(第25条・第26条)、罰則があるのは第22条の2(威迫・誘惑による売春等の要求。第53条第2号で6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)
- 警察庁の公表事例では、好意や応援を伝えるSNSメッセージが「誘惑」として立件されている
- 支払ってしまったお金は消費者契約法第4条第3項第6号(デート商法の取消権)の問題。風営法とは効果も要件も動かし方も違い、期間制限もある
- 働く側にも法律はかかる。 職業安定法第63条、労働基準法の賃金全額払い、個人情報の取扱い
- 相談先は分かれている。 請求は「188」、危険は「♯9110」、行き場がなければ「♯8778」、法的手続は法テラス、性暴力は「♯8891」
- 運用も金額も店舗・地域・個人によって異なる。 料金は必ず店の掲示と説明で確認を
色恋営業を「良いか悪いか」で語ると、そこで話が止まります。条文の側から見ると、問われているのは感情ではなく、誤信に乗じた特定の働きかけと、目に見える金額の動きです。 その二つを切り分けて見られるようになると、席で起きていることも、後から相談すべきかどうかも、ずっと判断しやすくなります。
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参考情報
- 警察庁「悪質ホストクラブ対策について」 https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/hoan/hostclubto/hostclubto.html
- 警察庁「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律(概要)」 https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/hoan/hostclubto/070528huueihougaiyou.pdf
- 警察庁「悪質ホストクラブ対策に関する報告書」(悪質ホストクラブ対策検討会、令和6年12月) https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/hoan/hostclubto/saisyuuhoukokusyo1.pdf
- 警察庁「検挙事例」(改正風営法の適用事例) https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/hoan/hostclubto/260309zireiset.pdf
- e-Gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(令和7年11月28日施行版) https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000122
- e-Gov法令検索「消費者契約法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000061
- e-Gov法令検索「職業安定法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141
- 消費者庁「ホストクラブなどにおける不当な勧誘と消費者契約法の適用について(周知)」(令和5年11月30日) https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/other/assets/consumer_system_other_231130_0001.pdf
- 厚生労働省「悪質ホストクラブ対策について」(職業安定法・労働基準法のQ&A、検挙事例) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/index_00037.html
- 厚生労働省「女性相談支援センターにおける悪質ホストクラブ等に関する相談受付件数について」 https://www.mhlw.go.jp/content/001662523.pdf
- 厚生労働省「困難な問題を抱える女性の相談窓口(女性相談支援センター)#8778」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40452.html
本記事は一般的な情報の整理であり、個別の店舗の運用や、個別の事案に対する法的判断を示すものではありません。法令は改正されることがあり、条例の内容は地域によって異なります。契約や請求に関するトラブルは消費者ホットライン「188」へ、身の危険を感じる場合は警察へご相談ください。

