風営法とは?接待の定義から監督まで、夜のお店のルールの全体像

最終更新:2026-08-18

今、時間がある人が並んでいます

今すぐ話し相手がほしいなら、待つ必要はありません。LOVETOK NOW は 「今、話せます」と出している人だけが並ぶ場所です。気になる人へその場で声をかけられます。

無料で新規会員登録

18歳以上・年齢確認済みの方のみ利用できます

結論から書きます。風営法とは「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(昭和23年法律第122号)の略称で、夜の飲食店を含むいくつかの営業について、誰が営めるか・何時まで営めるか・誰を客や従業者にできるか・何を表示するかを定め、守られていないときに公安委員会が処分できるようにした法律です。

そして、この法律を読むときにいちばん効く補助線は一つだけです。「接待」があるかどうか。 同じビルの同じ広さの飲食店でも、接待をすれば第2条第1項第1号の風俗営業になって許可が必要になり、深夜0時以降は営業できなくなります。接待をしなければ、深夜に酒を出す店は届出だけで深夜も営業できます。入口の手続も、時間の制限も、罰則の重さも、この一点から枝分かれしていきます。

この記事は、シリーズの中で風営法そのものを扱う回です。法律の目的、接待の定義、営業の種類、規制の四つの柱、監督の仕組みまでを一続きで見渡すことに集中します。 許可と届出の手続、営業時間、年齢確認、料金表示、2025年の改正、名簿の作り方といった個別の論点は、それぞれ専用の記事にリンクします。

この記事で分かること

  • 風営法の正式名称と成り立ち、第1条が掲げている目的
  • この法律が規律しているのは客ではなく営業者だということ
  • 第2条第1項が定める風俗営業の5種類と、その中での「接待飲食等営業」の位置
  • 「接待」の定義(第2条第3項)と、警察庁の解釈運用基準が示す6つの判断基準
  • 「接待」と「遊興」がどこで分かれるか
  • 許可が要る1号営業と、届出で足りる深夜酒類提供飲食店営業の違いを、条文の準用関係で読む方法
  • 営業時間・年齢・料金・場所という規制の四つの柱
  • 立入りと行政処分の仕組み、そして実際の件数(令和7年)

法令に関する記述は一般的な情報であり、個別の事案でどう扱われるかは事情によって変わります。条文はe-Gov法令検索で、運用の解釈は警察庁の解釈運用基準(令和8年7月1日付通達)で確認しています。地域ごとの結論は都道府県の条例で変わります。

風営法とはどんな法律か

正式名称と、題名が二度変わった経緯

正式名称は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」です。公布は昭和23年7月10日、法律番号は昭和23年法律第122号。制定当時の題名は「風俗営業取締法」でした。 国立国会図書館の日本法令索引によれば、昭和34年2月10日(法律第2号)に「風俗営業等取締法」となり、昭和59年8月14日(法律第76号)に現在の題名へ変わっています。

「取締法」から「規制及び業務の適正化」へ。 題名の変化がそのまま、この法律の建て付けを表しています。実務では「風営適正化法」と略されることも多く、警察庁の統計資料もこの略称を使っています。

第1条が掲げている三つの目的

第1条はこう書かれています。

この法律は、善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため、風俗営業及び性風俗関連特殊営業等について、営業時間、営業区域等を制限し、及び年少者をこれらの営業所に立ち入らせること等を規制するとともに、風俗営業の健全化に資するため、その業務の適正化を促進する等の措置を講ずることを目的とする。

目的は三つに分解できます。①善良の風俗と清浄な風俗環境の保持、②少年の健全な育成に障害を及ぼす行為の防止、③風俗営業の健全化のための業務の適正化です。

警察庁の解釈運用基準は、第1条について「風俗営業が適正に営まれている場合でも取締りの対象であるかのような誤解を与えることのないようにしたもの」と説明しています。業種そのものを否定する法律ではない、と国の運用文書が明記しているわけです。この一文は、風営法を読むときの前提として押さえておく価値があります。

名宛人は「営業者」であって「客」ではない

条文を通して読むと、義務を負う主語がほぼ一貫していることに気づきます。「風俗営業者は」「風俗営業を営む者は」「接待飲食等営業を営む風俗営業者は」——規制の名宛人は店の側です。

客に対して「してはならない」と定めた規定は置かれていません。18歳未満を客として立ち入らせてはならない(第22条第1項第5号)というのも、義務を負っているのは店です。そのため、風営法違反の効果は、店に対する行政処分(第25条・第26条)と、違反行為をした者に対する罰則という形で現れます。

風俗営業は5種類ある

第2条第1項は、風俗営業を次の5種類に限定して列挙しています。ここに当たらない営業は、どれだけ夜遅くまでやっていても風俗営業ではありません。

  • 第1号 キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業
  • 第2号 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、営業所内の照度を10ルクス以下として営むもの
  • 第3号 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難で広さが5平方メートル以下の客席を設けて営むもの
  • 第4号 まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
  • 第5号 スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備を備える店舗等で客に遊技をさせる営業

このうち第1号から第3号までをまとめて「接待飲食等営業」と呼びます(第2条第4項)。キャバクラもホストクラブもスナックも、接待をしていれば第1号です。第4号・第5号は遊技場営業で、同じ法律の中にありますが規制の中身はかなり違います。

「風俗」という語が性的なものを指すという理解は、この条文と合いません。 第1条の「善良の風俗」「清浄な風俗環境」は、社会の風俗環境という広い意味です。いわゆる性風俗の店は、風俗営業ではなく第2条第5項の「性風俗関連特殊営業」という別カテゴリで、届出制など別の規定が置かれています。

なお、風俗営業とは別枠で、「特定遊興飲食店営業」という許可制の類型もあります(第2条第11項、許可は第31条の22)。ナイトクラブなど、設備を設けて客に遊興をさせ、かつ酒類を提供して飲食をさせる営業で、深夜(午前0時から午前6時まで)にかかるものです。解釈運用基準は、この類型を「深夜・遊興・飲酒という3要素の全てを満たす営業」と説明しています。

「接待」とは何か——この法律の入口

条文はたった一文

第2条第3項の定義は、驚くほど短いものです。

この法律において「接待」とは、歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことをいう。

これだけでは実務が回らないので、警察庁の解釈運用基準が言い換えを置いています。「特定の客又は客のグループに対して単なる飲食行為に通常伴う役務の提供を超える程度の会話やサービス行為等を行うこと」。 同基準はさらに、これを「営業者側の積極的な行為として相手を特定して興趣を添える会話やサービス等を行うこと」と説明しています。

キーワードは「相手を特定して」と「通常伴う役務を超える程度」の二つです。 誰に向けられているかと、どこまでやっているか。この二軸で判断されます。

6つの判断基準——「当たる」と「当たらない」の対比

解釈運用基準は、接待の判断基準を6項目に分けて、当たる例と当たらない例を並べています。この対比が、接待という概念の輪郭をいちばんよく示しています。

(1) 談笑・お酌等 当たる——特定少数の客の近くにはべり、継続して、談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供したりする行為。 当たらない——お酌をしたり水割りを作るが速やかにその場を立ち去る行為、客の後方で待機し、又はカウンター内で単に客の注文に応じて酒類等を提供するだけの行為、これらに付随して社交儀礼上の挨拶を交わしたり若干の世間話をしたりする程度の行為。

(2) ショー等 当たる——特定少数の客に対して、専らその客の用に供している客室又は客室内の区画された場所で、ショー、歌舞音曲等を見せ、又は聴かせる行為。 当たらない——ホテルのディナーショーのように不特定多数の客に対し同時に見せ、聴かせる行為。

(3) 歌唱等 当たる——特定少数の客の近くにはべり、その客に歌うことを勧奨し、若しくはその客の歌に手拍子をとり、拍手をし、若しくは褒めはやす行為、又は客と一緒に歌う行為。 当たらない——客の近くに位置せず不特定の客に歌を勧める行為、不特定の客からカラオケの準備の依頼を受ける行為、歌の伴奏のため楽器を演奏する行為等。

(4) ダンス 当たる——特定の客の相手となって、その身体に接触しながら客にダンスをさせる行為。身体に接触しない場合でも、特定少数の客の近くに位置し継続して一緒に踊る行為。 当たらない——ダンスを教授する十分な能力を有する者が、技能及び知識を修得させる目的で客に教授する行為。

(5) 遊戯等 当たる——特定少数の客と共に、遊戯、ゲーム、競技等を行う行為。 当たらない——客一人で又は客同士で行わせる行為は、直ちに接待に当たるとはいえない。

(6) その他 当たる——客と身体を密着させたり手を握ったりするなど客の身体に接触する行為。客の口許まで飲食物を差し出し、客に飲食させる行為。 当たらない——社交儀礼上の握手、酔客の介抱のために必要な限度での接触。単に飲食物を運搬し、又は食器を片付ける行為、客の荷物・コート等を預かる行為等。

6項目に共通しているのは、「特定少数の客」「継続して」という条件が、当たる側にだけ付いていることです。 席の配置や店の看板ではなく、誰に向けて、どのくらいの継続性で行っているか。カウンター越しかどうかは、基準の中に出てきません。

接待をする人が誰かは問わない

解釈運用基準は、接待の主体についてもはっきり書いています。営業者や雇用している者に限らず、料理店で芸者が接待する場合、旅館・ホテル等でバンケットクラブのホステスが接待する場合、営業者との明示又は黙示の契約・了解の下に客を装った者が接待する場合等を含み、名称のいかんを問わないとされています。さらに「接待は、通常は異性によることが多いが、それに限られるものではない」とも明記されています。

雇用契約の有無も、性別も、肩書きも、接待に当たるかどうかを左右しません。

「接待」と「遊興」は向いている先が違う

もう一つ、混同されやすいのが「遊興」です。特定遊興飲食店営業の「遊興をさせる」について、解釈運用基準は具体例を挙げています。

遊興に当たる例——不特定の客にショー、ダンス、演芸等を見せる行為、不特定の客に生演奏を聴かせる行為、音楽や照明の演出を行い不特定の客にダンスをさせる行為、のど自慢大会等に不特定の客を参加させる行為、カラオケ装置を設けて不特定の客に歌を勧め合いの手を入れたり褒めはやしたりする行為、バー等でスポーツ映像を見せて客に呼び掛けて応援に参加させる行為。

遊興に当たらない例——カラオケボックスで客に装置を使わせる行為、客が自分から歌いたいと言ったときにマイクや歌詞カードを手渡す行為、ボーリングやビリヤードの設備を自由に使わせる行為、バー等でスポーツ映像を単に見せる行為。

並べると一目瞭然です。接待は「特定少数の客」に向けられ、遊興は「不特定の客」に向けられます。 カラオケで褒めはやす行為は、特定少数の客の近くではべっていれば接待、不特定の客に向けていれば遊興。同じ動作でも、向いている先で条文の入口が変わります。

なお解釈運用基準は、いわゆるガールズバー、メイドカフェ等で、客にショーを見せたりゲーム大会に参加させたりせず単に飲食物の提供のみを行う行為は「客に遊興をさせる」に当たらない、とも書いています。これは遊興の話であって、接待に当たるかどうかは別に判断される点に注意が必要です。

1号営業と深夜酒類提供飲食店営業——分かれ道の先

夜の飲食店を巡る話がややこしくなるのは、外から見た業態が似ていても、法律上の枠が違うからです。ここを条文の構造で整理します。

入口が違う——許可と届出

1号営業は、第3条第1項により営業所ごとに都道府県公安委員会の許可が必要です。第4条には長い欠格事由のリストがあり、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、一定の罪に関する前科がある者、暴力的不法行為等を行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者などが並びます。

一方、深夜に酒を出す飲食店は、第33条第1項により営業所ごとに公安委員会へ届出書を提出します。記載事項は、氏名又は名称及び住所(法人は代表者の氏名)、営業所の名称及び所在地、営業所の構造及び設備の概要の三つだけです。許可のような審査を経る仕組みではありません。

この差は罰則の重さに直結します。無許可で風俗営業を営んだ場合は第49条第1号により5年以下の拘禁刑もしくは1000万円以下の罰金、またはその併科(第57条の両罰規定により法人には3億円以下の罰金)。届出をせずに深夜に酒類提供飲食店営業を営んだ場合は第55条第6号により50万円以下の罰金です。手続の詳しい流れは許可と届出の記事で扱います。

「酒類提供飲食店営業」の線引きは主食で決まる

そもそも、どの店が届出の対象になるのか。定義は意外な場所に置かれています。第2条第13項第4号のかっこ書きです。

バー、酒場その他客に酒類を提供して営む営業(営業の常態として、通常主食と認められる食事を提供して営むものを除く。以下「酒類提供飲食店営業」という。)

解釈運用基準は、この定義を具体化しています。「酒類を提供して営む」とはアルコール分1度以上の飲料を客に提供して営むことをいい、量の多寡を問わない。「営業の常態として」については、営業時間中客に常に主食を提供している店であることを要し、平日のみ、昼間のみ主食を提供する店は当たらない。客が飲食している時間のうち大部分の時間は主食を提供していることを要し、大半の時間は酒を飲ませているが最後に茶漬を提供するような場合は当たらない。そして「通常主食と認められる食事」とは、米飯類、パン類(菓子パン類を除く)、めん類、ピザパイ、お好み焼き等を指すとされています。

居酒屋と定食屋の境目を、法律は「主食を出している時間の割合」で見ているわけです。なお、午前6時から午後10時までの時間においてのみ営む店は届出の対象外です(第2条第13項第4号、第33条第6項の書き方から分かります)。

時間の扱いが真逆

第13条第1項は、風俗営業者は深夜(午前0時から午前6時まで)においてはその営業を営んではならないと定めています。ただし書で、都道府県の条例に特別の定めがある場合には、習俗的行事その他の特別な事情のある日として条例で定める日、または政令基準に従い条例で定める地域に限り、午前0時以後も条例で定める時まで営業できます。

対して、深夜酒類提供飲食店営業は深夜に営むことが前提の届出制です。ただし接待はできません。接待をした瞬間に第2条第1項第1号の営業になり、許可がなければ無許可営業になります。「深夜0時を過ぎたら接待をやめる」という運用が成り立たないのは、そもそも1号営業が深夜に営業できないからです。 時間の詳細は営業時間のルールの記事にまとめています。

かかる義務が違う——準用関係で読む

条文の準用関係を追うと、両者の義務の差がはっきりします。

項目1号営業(接待あり)深夜酒類提供飲食店営業
入口第3条の許可第33条第1項の届出
接待できる(許可の対象)できない
深夜営業第13条により原則不可前提として可
料金の表示第17条の義務あり第17条は準用されていない
18歳未満に接待させる第22条第1項第3号で禁止第32条第3項の準用から第3号は除外
22時〜6時に18歳未満を客に接する業務に第22条第1項第4号で禁止準用あり(施行規則第102条の適用除外あり)
20歳未満に酒類・たばこ提供第22条第1項第6号で禁止準用あり
従業者名簿第36条の義務あり第36条の義務あり
接客従業者の生年月日等の確認第36条の2の義務あり第36条の2の義務あり
営業所の管理者第24条で選任義務選任義務の規定なし

注目したいのは料金表示です。第17条は「風俗営業者は」と書かれており、第32条・第33条のどちらの準用リストにも入っていません。 深夜酒類提供飲食店営業には、風営法上の料金表示義務がかかっていないということです(他の法令や条例の規律は別途あり得ます)。同じ通りに並ぶ店でも、法律の枠が違えば表示のルールも違う。この差は覚えておく価値があります。詳しくは料金表示義務の記事へ。

18歳未満に接待させる禁止(第22条第1項第3号)が準用から外れているのも同じ理屈で、接待がない営業には適用しようがないからです。逆に、名簿と年齢確認は両方にかかります。名簿の実務は従業者名簿の記事にあります。

今、時間がある人が並んでいます

今すぐ話し相手がほしいなら、待つ必要はありません。LOVETOK NOW は 「今、話せます」と出している人だけが並ぶ場所です。気になる人へその場で声をかけられます。

無料で新規会員登録

18歳以上・年齢確認済みの方のみ利用できます

規制の四つの柱

風営法の遵守事項は数が多いのですが、夜の飲食店に関する部分は四つの柱で整理できます。

柱1 時間

第13条第1項の深夜営業禁止が基本です。第13条第2項では、都道府県が政令基準に従い条例で定めるところにより、地域を定めてさらに営業時間を制限できるとされています。「何時まで営業できるか」は、法律だけを読んでも答えが出ません。 都道府県の条例と、その中で指定された地域を見る必要があります。

なお第13条第3項・第4項は、条例で午前0時以後の営業が認められた場合について、客の大声や騒音、酒に酔った粗野・乱暴な言動などで周辺に迷惑を及ぼさないための措置と、苦情処理の帳簿の備付けを求めています。

柱2 年齢

第22条第1項は、風俗営業を営む者に対して次を禁じています。第3号、営業所で18歳未満の者に客の接待をさせること。第4号、営業所で午後10時から翌日の午前6時までの時間において18歳未満の者を客に接する業務に従事させること。第5号、18歳未満の者を営業所に客として立ち入らせること。第6号、営業所で20歳未満の者に酒類又はたばこを提供すること。

第18条は、18歳未満の者が立ち入ってはならない旨を営業所の入口に表示することを義務づけています。

そして見落とされやすいのが第51条第2項です。第22条第1項第3号・第4号などの違反について、「当該18歳未満の者の年齢を知らないことを理由として、処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りでない」と定めています。「知らなかった」は原則として通らず、確認していたかどうかが問われる構造です。

これを支えるのが第36条の2で、接待飲食等営業を営む風俗営業者や深夜に営む酒類提供飲食店営業者に、客に接する業務に従事させようとする者について生年月日・国籍等を書類で確認し、記録を作成・保存することを義務づけています。違反には第54条により100万円以下の罰金が定められています。実務は年齢確認の記事で扱います。

柱3 料金

第17条は「国家公安委員会規則で定めるところにより、その営業に係る料金で国家公安委員会規則で定める種類のものを、営業所において客に見やすいように表示しなければならない」と定めます。どの料金をどう表示するかは規則側に委ねられているのが特徴です。

これに加えて、2025年施行の改正で第18条の3第1号が新設され、第17条に規定する料金について事実に相違する説明をし、又は客を誤認させるような説明をすることが禁じられました。解釈運用基準は「客を誤認させるような説明」の例として、一定の額しか持ち合わせがないと支払限度額を申告した客に対し「それでも大丈夫」等と申し向け、その範囲内でのみ飲食等を提供すると誤った認識を与える説明を挙げています。

第17条にも第18条の3にも刑罰は付いていません。 効くのは第25条の指示と第26条の営業停止・許可取消しという行政処分です。

柱4 場所と外形

第4条の許可基準には、人的な欠格事由のほか、営業所の構造・設備の技術上の基準や営業所の設置場所の制限が置かれています。営業開始後も、第12条が構造・設備の維持を、第14条が照度の規制を、第15条が騒音・振動の規制を定めます。

第16条は、営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法での広告・宣伝を禁じています。解釈運用基準は、第18条の3の趣旨に鑑みて、接客従業者の指名数、売上額等の営業成績や役職を殊更に強調するなど、著しく客の遊興・飲食の意欲をそそり、又は接客従業者間に過度な競争意識を生じさせるような広告・宣伝も規制の対象になると書いています。一方で、単に店名及び料金のみを表示する広告や、単に色彩が派手であるだけの広告は、清浄な風俗環境を害するおそれがあると認められる場合を除き対象にならないとされています。

監督——立入りと行政処分

報告と立入り(第37条)

公安委員会は、法の施行に必要な限度で、風俗営業者や深夜に飲食店営業を営む者などに対し、業務に関する報告又は資料の提出を求めることができます(第1項)。警察職員は、必要な限度で、風俗営業の営業所、特定遊興飲食店営業の営業所、深夜における飲食店営業の営業所などに立ち入ることができます(第2項)。

ただし条文には二つの歯止めが書かれています。個室その他これに類する施設で客が在室するものについては立入りの対象外であること(第2項ただし書)、そして「第2項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」(第4項)。立ち入る警察職員は身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければなりません(第3項)。

立入りを拒み、妨げ、又は忌避した場合は、第54条第7号により100万円以下の罰金です。

指示(第25条)と営業停止・取消し(第26条)

第25条は、風俗営業者又はその代理人等が法令等に違反し、善良の風俗・清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるときに、公安委員会が必要な指示をすることができると定めます。

第26条はさらに重く、違反の程度が著しい場合などに、許可の取消し、または6月を超えない範囲内で期間を定めた営業の全部・一部の停止を命ずることができます。第2項では、風俗営業の許可取消しや停止を命ずるときに、同じ施設を用いて営む飲食店営業についても停止を命じられるとされています。看板を掛け替えて営業を続けることを封じる規定です。

飲食店営業者(深夜酒類提供飲食店営業を含む)については第34条に同趣旨の指示・停止の規定があります。

実際にはどれくらい動いているのか(令和7年)

警察庁「令和7年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯等の取締り状況について」から、規模感を拾います。

営業の数(令和7年末)

  • 風俗営業の許可数 7万6,790件(前年比69件、0.1%減)
  • うち接待飲食等営業 5万9,695件(1号5万9,675件、2号19件、3号1件)
  • 特定遊興飲食店営業の許可数 592件(うちナイトクラブ433件)
  • 深夜酒類提供飲食店営業の届出数 25万8,163件(前年比1,435件、0.6%増)

接待飲食等営業の許可はおよそ6万件、深夜酒類提供飲食店営業の届出はおよそ26万件。 桁が違います。夜に酒を出す店の大多数は1号営業ではない、というのがまず押さえるべき地形です。また、接待飲食等営業のうち2号(低照度)は19件、3号(区画席)は1件で、実態としては1号がほぼ全部を占めています。

行政処分(令和7年・合計3,693件)

  • 取消し・廃止命令等 70件/停止命令等 259件/指示 3,364件
  • 内訳は、風俗営業者2,711件(うち接待飲食等営業2,480件、遊技場営業231件)、特定遊興飲食店営業10件、飲食店営業765件(うち深夜酒類提供飲食店営業654件)、性風俗関連特殊営業207件

違反態様別に多い順(令和7年)

  1. 従業員名簿の備付義務違反 890件
  2. 従業者の確認義務違反等 539件
  3. 営業時間の制限違反 494件
  4. 変更届出義務違反等 443件
  5. 構造・設備の維持違反 273件
  6. 無許可営業 212件

以下、年少者の立入禁止表示違反82件、客引き59件、料金表示違反40件、20歳未満の者への酒類等の提供行為13件と続きます。

上位を占めているのは、名簿・確認・時間・届出という事務的な項目です。 風営法違反というと派手な事件が思い浮かびがちですが、処分の実数はそこにありません。

検挙(令和7年)

風営適正化法違反の検挙件数は662件、検挙人員は844人でした。行政処分3,693件と比べると、この法律の実効性は主に行政処分で担保されていると読めます。

2025年施行の改正で足された部分

2025年(令和7年)に改正法が施行され、接待飲食営業に関する規定がいくつか追加されました。警察庁の改正概要によれば、内容は次のとおりです。

  • 接待飲食営業を営む風俗営業者の遵守事項として、料金に関する虚偽説明、客の恋愛感情等につけ込んだ飲食等の要求、客が注文していない飲食等の提供を規定(第18条の3)
  • 罰則付きの禁止行為として、客に注文や料金の支払等をさせる目的での威迫、威迫や誘惑による料金の支払等のための売春・性風俗店勤務等の要求を規定(第22条の2)
  • 性風俗店を営む者がスカウト等から求職者の紹介を受けた際に紹介料を支払うこと(いわゆるスカウトバック)の禁止
  • 無許可営業等に対する罰則の強化(2年以下→5年以下の拘禁刑、200万円以下→1000万円以下の罰金、法人は200万円以下→3億円以下の罰金)
  • 風俗営業の許可に係る欠格事由の追加

この改正は、風営法の骨格を組み替えたのではなく、接待飲食営業についての遵守事項と禁止行為を上乗せしたものです。 内容の詳細は2025年の風営法改正の記事で扱います。

同じ法律でも、地域で結論が変わる

風営法は、重要な部分をあえて条例に委ねています。

  • 第13条第1項ただし書・第2項——深夜営業の例外と、地域を定めた営業時間の制限
  • 第21条——第12条から第19条までのほか、風俗営業者の行為について必要な制限を条例で定められる
  • 第22条第2項——第5号営業への18歳未満の立入りに関する制限
  • 第33条第4項——深夜において酒類提供飲食店営業を営むことを禁止する地域

たとえば千葉県警察は、特定遊興飲食店営業の営業所について、千葉市中央区富士見の指定地域でのみ許可される旨を案内しています。同じ営業形態でも、どの都道府県のどの地域かで可否も終了時刻も変わります。 自分の街のルールを知りたい場合は、法律ではなく都道府県の風営法施行条例と、その中の地域指定を確認するのが近道です。

よくある質問

Q1. 風営法の「風俗」は性風俗のことですか。 違います。第1条が保持しようとしているのは「善良の風俗」と「清浄な風俗環境」で、社会の風俗環境という広い意味です。第2条第1項の風俗営業には、まあじやん屋・ぱちんこ屋・ゲームセンター等も含まれます。いわゆる性風俗の店は第2条第5項の「性風俗関連特殊営業」という別カテゴリで、規定も別に置かれています。

Q2. カウンター越しなら接待になりませんか。 席の位置で決まる仕組みにはなっていません。解釈運用基準の判断基準は「特定少数の客の近くにはべり、継続して」という形で書かれており、カウンター内で単に客の注文に応じて酒類等を提供するだけの行為や、それに付随する社交儀礼上の挨拶・若干の世間話は接待に当たらないとされます。逆に、継続して談笑の相手になれば当たり得ます。判断されるのは形式ではなく実際の営業の態様です。

Q3. 深夜酒類提供飲食店営業の届出をしていれば、接待もできますか。 できません。接待をすれば第2条第1項第1号の営業に当たり、第3条の許可が必要になります。許可がなければ無許可営業として第49条第1号の対象で、5年以下の拘禁刑もしくは1000万円以下の罰金、またはその併科です。届出は接待を許す手続ではありません。

Q4. 客が風営法違反で罰せられることはありますか。 風営法の義務規定は、いずれも営業者側を名宛人にしています。客に「してはならない」と定めた条文はありません。ただし、18歳未満を客として立ち入らせないこと(第22条第1項第5号)や20歳未満に酒類・たばこを提供しないこと(同項第6号)は店の義務なので、結果として客の側に入店・飲酒の制限が及びます。

Q5. 風営法に違反すると、すぐ逮捕されるのですか。 実数で見ると、動いているのは主に行政処分です。令和7年の風営適正化法に基づく行政処分は3,693件(取消し・廃止命令等70件、停止命令等259件、指示3,364件)で、同年の風営適正化法違反の検挙は662件でした。仕組みとしても、第25条の指示、第26条の営業停止・許可取消しが中心に置かれています。

Q6. カラオケがある店は風営法の許可が必要ですか。 カラオケ装置があること自体では決まりません。解釈運用基準では、特定少数の客の近くにはべって歌を勧め、手拍子をとり、褒めはやし、又は一緒に歌う行為は接待に当たり、客の近くに位置せずマイクや歌詞カードを手渡す程度の行為は接待に当たらないとされています。不特定の客に歌を勧めて合いの手を入れるような形は、接待ではなく「遊興」の問題になり、深夜・酒類の要素が揃えば特定遊興飲食店営業の話になります。

Q7. 警察の立入りは断れますか。 第37条第2項の立入りを拒み、妨げ、又は忌避した場合は、第54条第7号により100万円以下の罰金が定められています。一方で条文には歯止めもあり、客が在室する個室等は立入りの対象外、警察職員は身分証明書を携帯して関係者に提示する必要があり、第4項は「犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」と明記しています。

Q8. 自分の地域のルールを調べるには、どこを見ればよいですか。 条文はe-Gov法令検索、運用の解釈は警察庁の解釈運用基準(通達)で確認できます。営業時間・地域規制は都道府県の風営法施行条例と地域指定によるので、各都道府県の例規集や警察本部のサイトが該当します。具体的な事案の判断は事情によって変わるため、最終的には所轄の窓口や専門家に確認するのが確実です。

まとめ

  • 風営法は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(昭和23年法律第122号)の略。制定時は「風俗営業取締法」で、昭和34年に「風俗営業等取締法」、昭和59年に現在の題名になった
  • 第1条の目的は、善良の風俗と清浄な風俗環境の保持、少年の健全な育成に障害を及ぼす行為の防止、風俗営業の健全化のための業務の適正化の三つ。解釈運用基準は「適正に営まれている場合でも取締りの対象であるかのような誤解を与えることのないようにしたもの」と説明している
  • 義務の名宛人は営業者側で、客に義務を課す規定はない
  • 風俗営業は第2条第1項の5種類に限定列挙され、1号から3号が「接待飲食等営業」。夜の飲食店に関係するのはほぼ1号
  • 「接待」の定義は「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」(第2条第3項)。解釈運用基準は6つの判断基準で当たる例・当たらない例を示し、共通するのは「特定少数の客」「継続して」という条件
  • 接待は特定少数の客に、遊興は不特定の客に向けられる。同じ動作でも向いている先で枠が変わる
  • 1号営業は許可(第3条・無許可は第49条で5年以下の拘禁刑もしくは1000万円以下の罰金)、深夜酒類提供飲食店営業は届出(第33条・無届は第55条で50万円以下の罰金)。深夜営業の可否も真逆で、料金表示義務(第17条)は前者にしかかからない
  • 規制の柱は時間(第13条)、年齢(第22条・第18条・第36条の2、年齢を知らなかったことは原則として言い訳にならない)、料金(第17条・第18条の3)、場所と外形(第4条・第12条・第14条〜第16条)
  • 監督は第37条の報告・立入りと、第25条の指示・第26条の営業停止/取消し。令和7年の行政処分は3,693件で、多い違反は従業員名簿890件、従業者の確認539件、営業時間494件、変更届出443件
  • 令和7年末の接待飲食等営業の許可は5万9,695件、深夜酒類提供飲食店営業の届出は25万8,163件。同じ「夜の店」でも枠は大きく違う
  • 営業時間や禁止地域は都道府県条例で決まる。地域が違えば結論も変わる

法令に関する記述は一般的な情報であり、個別の事案の結論は事情によって異なります。地域ごとの規制内容は都道府県の条例をご確認ください。


法律の全体像を追うと、夜の街のルールが「誰に、どのくらい継続して向けられているか」という細かい線で区切られていることが分かります。線を気にせず、いま話し相手がほしいだけ、という場面もあります。LOVETOK NOWは「今、話せます」と待機している人だけが一覧に並び、マッチングを待たずにその場でチャットを始められるサービスです(20歳以上・年齢確認あり)。地域ごとの話は出会いガイドにまとめています。

参考情報

今、時間がある人が並んでいます

今すぐ話し相手がほしいなら、待つ必要はありません。LOVETOK NOW は 「今、話せます」と出している人だけが並ぶ場所です。気になる人へその場で声をかけられます。

無料で新規会員登録

18歳以上・年齢確認済みの方のみ利用できます

本記事は公開されている情報をもとに LOVETOK NOW 編集部が整理したものです。 店舗・地域・個人によって事情は異なり、制度や料金は変わることがあります。 最新の内容は各公式情報をご確認ください。

新規会員登録はこちら