結論から書きます。「悪質な店かどうか」は、入る前には分かりません。分かるのは、法令が「見えるようにしておきなさい」と決めているものが、実際に見える状態にあるかどうかだけです。
そして、それは思ったより多く決まっています。許可証は「営業所の見やすい場所に掲示」(風営法第6条)。18歳未満の立入禁止は「営業所の入口に表示」(第18条)。料金は「営業所において客に見やすいように表示」(第17条)。路上で客引きをすることは、店の側に禁じられています(第22条第1項第1号)。入口の前と、席に着いてからの数分。この二つの場面で、法令が想定している表示が揃っているかを、目で確かめられます。
この記事は、特定の店や地区を「悪質」と決めつけるための記事ではありません。確認できる事実だけを並べた点検リストです。表示が無いことがただちに違法を意味しない場面もあり、そこも含めて整理します。
この記事で分かること
- 「悪質な店」という区分も、「明朗会計」という言葉も、風営法・施行規則には存在しないこと
- 入口の前で確認できる三つ——許可証の掲示、18歳未満立入禁止の表示、路上で誰に声をかけられたか
- 席に着いてからの数分で確認できる三つ——料金表、料金の二つの区分、注文していないもの
- 表示が無くても違反とは限らないケースと、その理由(許可営業と届出営業で義務が違う)
- 掲示義務違反には30万円以下の罰金があり、料金表示義務違反には刑罰がないという、罰則の段差
- この点検リストで分かることと、分からないこと
前提:法令に「悪質な店」という区分はない
風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)を全文で見ても、「悪質な営業」という区分はありません。あるのは、許可を受けているか/届出を出しているかという手続の区分と、義務を果たしているか/いないかという状態の区分だけです。
同じことが、街でよく見る言葉にも当てはまります。「明朗会計」は法令の用語ではありません。 風営法にも、その細目を定めた風営法施行規則(昭和60年国家公安委員会規則第1号)にも、この語は一度も出てきません。「無料案内所」の「案内所」も、風営法の条文には登場しない言葉です。
これは、看板の言葉を疑えという話ではなく、看板の言葉には制度上の裏づけが無いので、確認の材料にはならないという話です。制度が求めているのは標語ではなく表示です。だから点検すべきなのは、「明朗会計と書いてあるか」ではなく「料金表が実際に見られるか」になります。
以下、確認できる順に並べます。
入口の前で確認できること
1. 路上で声をかけてきた人について歩いていないか
これが、入店前に決まってしまう最大の分岐です。
風営法第22条第1項は、風俗営業を営む者に対して、次の行為を禁じています。
一 当該営業に関し客引きをすること。 二 当該営業に関し客引きをするため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。
接待をして飲食させる営業(第2条第1項第1号。キャバクラ・ホストクラブなどが当たります)は、この条文の名宛人そのものです。さらに第32条第3項が、第22条第1項(第3号を除く)を飲食店営業を営む者一般に準用しています。読み替えにより「当該営業(深夜における営業に限る。)」となるので、深夜に営業する飲食店も、その深夜営業について客引きをしてはならないことになります。特定遊興飲食店営業についても、第31条の23が同じ準用を置いています。
罰則も軽くありません。 第53条第1号は、第22条第1項第1号・第2号(準用される場合を含む)に違反したときを、6月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその併科としています。
つまり、路上で声をかけて店へ案内する行為は、多くの場合、店の側が罰則付きで禁じられている行為です。だからここで確認できる事実は一つだけで、「自分は、法令が禁じている入り方で店に入ろうとしていないか」です。
大阪府警察は、府の迷惑防止条例(大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)で禁止される路上の声かけを、客引き(通行人の中から特定の人を選んで客になるよう誘い込む)・勧誘=スカウト(従業員になるよう誘い込む)・誘引(不特定の通行人に呼びかける)・客待ち(それらの目的で相手を待つ)の四つに分けて説明しています。声のかけ方に型があるということでもあります。
2. その街に、客引きを禁じる条例があるか
風営法の禁止は「風俗営業者・飲食店営業者が、自分の営業について客引きをすること」を対象にしています。都道府県の迷惑防止条例は、東京都の場合、第7条が性風俗関係の客引きや、身体をとらえる・進路に立ちふさがるといった執ような客引きを対象にしていて、罰則は第8条第4項の50万円以下の罰金または拘留・科料、常習の場合は同条第10項で6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。第7条第3項に基づく公安委員会の告示で、客待ちを規制する区域が千代田区・中央区・港区・新宿区・豊島区など都内の指定町丁目に定められています。
そのうえで、市区町村が独自に条例を置いている地域があります。 一般財団法人地方自治研究機構の整理によれば、業種を問わず客引き・客待ち・勧誘を禁じて過料を科す型(大阪市・京都市・品川区・札幌市など)、業種を限って過料を科す型(新宿区・豊島区など)、刑罰を科す型(福岡市など)、罰則を置かず指導・公表にとどめる型(千代田区・武蔵野市など)に分かれます。規制の対象業種も措置の重さも自治体ごとに違うので、確認するなら、その市区町村の例規集を見るのが確実です。
警視庁新宿警察署も、区内では路上の客引き行為が禁止されていること、客引きに誘われてついて行くと高額請求などのトラブルに遭う危険があることを挙げて、「絶対について行かないよう注意」と呼びかけています。
3. 店名・所在地・階数を、自分で確認できているか
案内されて着いた店は、看板を見ないまま入ってしまうことがあります。ここで確認しておきたいのは、後で相談するときに最初に聞かれる情報です。店名、ビル名、階数、通りの名前。会計で食い違いが起きたときの手順は高額請求されたときの手順にまとめていますが、その手順のどれもが、店を特定できていることを前提にしています。
入口で「掲示」を探す
4. 許可証が掲示されているか(第6条)
風営法第6条は、こう定めています。
風俗営業者は、許可証(第十条の二第一項の認定を受けた風俗営業者にあつては、同条第三項の認定証)を営業所の見やすい場所に掲示しなければならない。
「備え付けておけ」ではなく「見やすい場所に掲示」です。客から見えることが前提の義務だ、ということになります。第31条の23により、特定遊興飲食店営業(深夜に遊興をさせる許可営業)にも準用されます。
そして、この義務には刑罰があります。 第56条第1号が、第6条(第31条の23で準用する場合を含む)に違反したときを30万円以下の罰金としています。後で見るとおり、料金表示義務(第17条)や立入禁止の表示義務(第18条)には刑罰が置かれていないので、掲示義務は風営法の表示関係の中では珍しく、罰則が直接ついている類型です。
ただし、掲示が見当たらないことをそのまま違反と読むことはできません。 掲示義務を負うのは風俗営業者と特定遊興飲食店営業者であって、接待をしない深夜酒類提供飲食店営業(第33条第1項の届出営業)には、この掲示義務がありません。 バーやスナックの形で届出だけで営業している店には、掲示すべき許可証がそもそも存在しません。
ついでに書いておくと、飲食店の営業許可(食品衛生法)についても、許可証を店内に掲示せよという規定は、食品衛生法にも同法施行規則にも置かれていません。 自治体の条例や運用で求めている場合はありますが、国の法令レベルでは義務化されていない、というのが確認できる事実です。
5. 入口に「18歳未満立入禁止」の表示があるか(第18条)
風営法第18条は、風俗営業者に対し、18歳未満の者が営業所に立ち入ってはならない旨を営業所の入口に表示することを義務づけています。第31条の23により、特定遊興飲食店営業にも読み替えのうえ準用されます。
これも、届出営業には準用されていません。第32条第2項が準用しているのは照度(第14条)と騒音・振動(第15条)、第33条第6項が準用しているのは接客従業者に対する拘束的行為の規制(第18条の2)で、第18条は入っていません。
したがって、入口の掲示の有無は「違法/適法」の判定ではなく、「どちらの枠組みの店か」を推測する手がかりとして使うのが正確です。許可証と18歳未満立入禁止の表示が両方あれば許可営業、両方無ければ届出営業の可能性が高い、という程度の読み方になります。二つの制度の違いは許可と届出の違いにまとめました。
席に着いてからの数分で確認できること
6. 料金表を見られるか(第17条・施行規則第33条)
風営法第17条は、風俗営業者に対して、国家公安委員会規則で定める種類の料金を、営業所において客に見やすいように表示することを義務づけています。表示の方法は施行規則第33条が三つ挙げていて、壁などに掲げる/客席に備える/注文前に示すのいずれかで足ります。
ここが実務上とても大事な点です。三つ目の「注文前に料金表等を客に見やすいように示すこと」が認められている以上、壁に料金表が貼っていないことは、それ自体では違反になりません。 逆に言えば、「料金表を見せてください」と注文前に言うのは、制度がもともと想定している流れだということでもあります。断られる理由のほうが説明しにくい頼み方です。
第17条は、接待をしない届出営業には準用されていません。表示義務の射程と、都道府県条例がその外側をどう埋めているかは、料金表示義務の記事で条文まで下りて整理しています。
7. 「二つの区分」が書かれているか(施行規則第34条)
見せてもらった料金表で確認する中身は、施行規則第34条が指定しています。接待飲食等営業(法第2条第1項第1号)については、次の二つです。
- 遊興料金、飲食料金その他名義のいかんを問わず、営業所の施設を利用して客が接待を受けて遊興・飲食する行為の対価または負担として客が支払うべき料金
- サービス料金その他名義のいかんを問わず、客が施設を利用する行為の対価または負担として支払うべき料金で、1以外のもの
「名義のいかんを問わず」という言葉が両方に入っています。名前を変えれば表示しなくてよい、という抜け道を塞いでいる書き方です。実際の伝票では、セット料金・指名料・延長料金・サービス料といった名目に分かれます。確認するのは、その名目が料金表の側にも書かれているかどうかです。
8. 注文していないものが出てきたら、その場で聞く
2025年施行の改正で入った第18条の3(客の正常な判断を著しく阻害する行為の規制)は、第2条第1項第1号の営業を営む風俗営業者に対し、次のような行為を禁じています。
- 第1号 第17条に規定する料金について、事実に相違する説明をし、又は客を誤認させるような説明をすること
- 第3号 客が注文等をする前に遊興又は飲食の全部又は一部を提供することにより、当該客を困惑させ、それによって遊興させ、又は飲食させること
第3号は「注文前に出すこと」自体を禁じているのではなく、それによって客を困惑させて飲食させることを禁じています。お通しの提供がただちに違反になるという条文ではありません。だから客の側の点検も単純で、出てきたものについて「これは料金がかかりますか、いくらですか」と聞き、答えを覚えておく——それだけです。聞ける空気かどうかも含めて、確認できる事実になります。
なお、第18条の3には刑罰が置かれていません。違反は公安委員会の指示(第25条)や営業停止・許可取消し(第26条)といった行政処分の対象です。
9. 時計を見る
風営法第13条第1項は、風俗営業者は深夜(午前0時から午前6時まで)に営業してはならないと定め、都道府県の条例に特別の定めがある場合に限って、条例で定める時(午前1時など)まで延長できるとしています。一方、接待をしない深夜酒類提供飲食店営業は第33条第1項の届出で深夜も営業できます。神奈川県警察も、風俗営業は午前0時から午前6時まで制限(一部地域で午前1時まで)、深夜酒類提供飲食店営業は制限なし、という整理を公表しています。
だから「午前0時を回ってから、接待にあたるもてなしを受けている」という状況は、店の枠組みについての情報を含んでいます。 その地域が延長を認める条例の対象なのか、それとも接待をしない前提の届出営業なのか。どちらなのかは客からは断定できませんが、時刻を覚えておくこと自体が、後から確認できる材料になります。 時間のルールの全体像は営業時間の記事にまとめました。
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会計の前に、もう一度だけ
点検の最後は会計です。伝票が出てきたら、金額の総額より先に内訳を見ます。料金表で確認した名目と、伝票の名目が対応しているか。表示に無い名目が足されていないか。
風営法第22条の2は、接待飲食営業を営む者について、客に注文等をさせたり料金の支払等をさせたりする目的で客を威迫して困惑させることを禁じ、第53条第2号がこれに6月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金(併科あり)を定めています。支払いを急がせる言葉が出てきたときに、その場で結論を出す必要はありません。具体的な手順と相談先は高額請求されたときの手順に分けて書いています。
点検リスト(まとめて一覧に)
| 確認する場所 | 見るもの | 根拠 | 「無い」ときの読み方 |
|---|---|---|---|
| 路上 | 声をかけてきた人について歩いていないか | 法22条1項1号・2号、32条3項準用(罰則53条1号) | 店側が罰則付きで禁じられている入り方 |
| 街 | 客引きを禁じる自治体条例があるか | 都道府県の迷惑防止条例、市区町村の条例 | 対象業種・措置は自治体ごとに違う |
| 入口 | 許可証の掲示 | 法6条(罰則56条1号・30万円以下の罰金) | 届出営業には掲示義務が無い |
| 入口 | 18歳未満立入禁止の表示 | 法18条(刑罰なし・行政処分の対象) | 届出営業には準用されていない |
| 席 | 料金表を見せてもらえるか | 法17条・規則33条 | 壁に無くても「注文前に示す」でよい |
| 席 | 二つの区分(対価/サービス料等) | 規則34条 | 名義を変えた表示漏れを塞ぐ規定 |
| 席 | 注文前に出てきたものの料金 | 法18条の3第1号・第3号 | 提供自体ではなく困惑させることが禁止 |
| 会計 | 伝票の内訳と表示の対応 | 法22条の2(罰則53条2号) | 総額より先に内訳 |
制度上、客からは見えない部分
点検リストを作るときにいちばん大事なのは、確認できないものを確認できるふりをしないことです。風営法が定めている義務のうち、客の位置からは見えない設計になっているものがいくつかあります。
営業所の管理者(第24条)。 風俗営業者は営業所ごとに管理者を1人選任しなければならず、違反は第55条第5号で50万円以下の罰金です。管理者には施行規則第10条第3項により風俗営業管理者証が交付されますが、掲示義務が定められているのは許可証・認定証だけ(第6条)で、管理者証の掲示は義務づけられていません。「責任者がいるか」を客が目視で確認する方法は、制度としては用意されていないということです。
従業者名簿(第36条)。 風俗営業者、特定遊興飲食店営業者、第33条第6項の酒類提供飲食店営業を営む者などは、営業所ごとに従業者名簿を備え、業務に従事する者の住所・氏名などを記載しなければなりません。備えなかった場合や虚偽記載は第54条第3号で100万円以下の罰金です。これも客に見せるための書類ではありません。
立入り(第37条)。 警察職員は法の施行に必要な限度で営業所に立ち入ることができ、立ち入るときは身分を示す証明書を携帯して関係者に提示しなければならず(第3項)、その権限は犯罪捜査のために認められたものと解してはならないとされています(第4項)。そして第2項のただし書には、営業所に設けられた個室その他これに類する施設で客が在室するものは立入りの対象外と書かれています。監督の目も、個室の中までは入りません。
広告・宣伝(第16条)。 風俗営業者は、営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で広告・宣伝をしてはならないと定められています。東京都の迷惑防止条例にも第7条の2(ピンクビラ等配布行為等の禁止)があります。ただし、路上で配られている紙が誰のものかを客が突き止める手段は、通常ありません。
つまり、外から確認できるのは掲示・表示・その場のやり取りまでで、店の内部管理は制度の別の担い手(公安委員会と警察)が見る建て付けになっています。客の点検リストが入口と席と会計に集中するのは、そういう構造だからです。
この点検で分かること、分からないこと
正直に書いておきます。このリストで分かるのは、法令が求めている表示が揃っているかまでです。
表示が揃っていても、そのあとのやり取りがどうなるかは別の話です。逆に、掲示が見当たらないことだけで違法と決めることもできません。届出営業には掲示義務も立入禁止の表示義務も料金表示義務も課されていないからです。「表示が無い=悪質」という読み替えは、制度の作りと合いません。
もう一つ。この記事は、確認できない情報でリスクを推測することを勧めません。 口コミは判断材料の一つにはなりますが、書き手も状況も分からない情報です。新宿警察署が事前にインターネットで口コミを確認することを挙げているのは事実ですが、それは客引きについて行かないことと並べて示された、複数の予防策のうちの一つです。
ここに書いたのは一般的な情報であり、個別の事情によって結論は異なります。条例は都道府県・市区町村ごとに内容が違い、店の運用も一律ではありません。実際の判断は、所轄の警察署や自治体の窓口、専門家にご確認ください。
よくある質問
Q1. 許可証が貼っていない店は、違法な店ですか。
そうとは限りません。掲示義務(第6条)を負うのは風俗営業者と特定遊興飲食店営業者で、接待をしない深夜酒類提供飲食店営業(第33条第1項の届出営業)には掲示すべき許可証がありません。ただし、接待にあたるもてなしを受けているのに許可証が見当たらない場合は、店の枠組みについての情報が一つ足りていない状態だといえます。
Q2. 「明朗会計」と書いてある店なら安心ですか。
「明朗会計」は法令の言葉ではありません。風営法にも施行規則にも出てきません。確認の材料になるのは、標語ではなく第17条の料金表示のほうです。
Q3. 料金表が壁に貼っていないのですが、違反ではありませんか。
違反とは限りません。施行規則第33条は、壁などに掲げる/客席に備える/注文前に示すの三つのいずれかでよいとしています。三つ目が認められているので、注文前に見せてもらえるなら方法としては足りています。逆に、注文前に見せてもらうこと自体は制度が想定している流れです。
Q4. 客引きについて行った客の側が、罰せられることはありますか。
風営法第22条第1項第1号・第2号の名宛人は、風俗営業を営む者(第32条第3項の準用で飲食店営業を営む者)です。客を処罰する条文ではありません。ただし、この入り方はトラブルの入口として警察が繰り返し注意喚起している経路なので、罰の有無とは別に避けるべき行為として扱われています。
Q5. 無料案内所を通せば安全ですか。
「案内所」という言葉は風営法の条文に出てきません。制度上の裏づけがある仕組みではないため、案内所を通したかどうかは点検項目になりません。確認できるのは、結局のところ、着いた店の店名・所在地・料金表・掲示の有無です。
Q6. 午前1時に接待を受けました。その店は違法ですか。
断定はできません。風営法第13条第1項ただし書により、都道府県の条例で指定された地域では午前1時などまで延長できます。延長が認められる地域かどうかは条例と告示で決まります。一方、届出営業は深夜も営業できますが接待はできません。客の側でできるのは、時刻を覚えておくことまでです。
Q7. 表示義務に違反した店は、逮捕されるのですか。
条文によって違います。許可証の掲示義務(第6条)違反は第56条第1号で30万円以下の罰金。客引き(第22条第1項第1号・第2号)違反は第53条第1号で6月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金(併科あり)。これに対し、料金表示義務(第17条)、18歳未満立入禁止の表示義務(第18条)、第18条の3の禁止行為には刑罰が置かれておらず、公安委員会の指示(第25条)や営業停止・許可取消し(第26条)という行政処分で担保されています。
Q8. 働く側にも、この点検は役に立ちますか。
同じ表示を見ています。許可証の掲示、18歳未満立入禁止の表示、料金表の内容は、面接や体験入店のときに客と同じ位置から確認できます。加えて第36条の従業者名簿、第18条の2(接客従業者に不相当に高額の債務を負わせること・旅券等を保管することの禁止)は、働く側に直接関わる条文です。
要点のまとめ
- 法令に「悪質な店」という区分はない。 確認できるのは、法令が「見えるようにしておけ」と定めたものが実際に見えるか
- 「明朗会計」も「案内所」も、風営法・施行規則の条文に出てこない言葉。 標語は点検項目にならない
- 入口の前で見るのは三つ——路上で誰に声をかけられたか、許可証(第6条)、18歳未満立入禁止の表示(第18条)
- 席に着いてからは三つ——料金表(第17条・規則33条)、二つの区分(規則34条)、注文前に出てきたものの料金(第18条の3第3号)
- 路上の客引きは、店側が罰則付きで禁じられている(第22条第1項第1号・第2号、第32条第3項準用、罰則は第53条第1号で6月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金)
- 自治体の客引き条例は、全業種/業種限定、過料/刑罰/指導・公表と型が分かれる。自分がいる街の例規集で確認するのが確実
- 許可証の掲示義務違反には30万円以下の罰金(第56条第1号)がある一方、料金表示義務や立入禁止表示義務には刑罰がないという段差がある
- 「表示が無い=悪質」ではない。 届出営業には掲示義務・表示義務・料金表示義務のいずれも課されていない
- 料金表は「注文前に示す」方法でも足りるので、見せてくださいと頼むのは制度が想定している流れ
- 会計では総額より先に内訳。威迫による困惑は第22条の2で罰則付きの禁止行為
- 客からは見えない義務もある。 管理者(第24条)の管理者証に掲示義務はなく、従業者名簿(第36条)は客に見せる書類ではなく、警察の立入り(第37条)も客が在室する個室には及ばない
- 一般的な情報であり、個別の事情によって結論は異なる。条例は地域ごとに違う
点検リストが長く見えるのは、夜の街の料金と枠組みが、店に入ってからでないと見えない設計になっているからです。確認の手間を減らしたいなら、料金の仕組みが最初から見えている場を選ぶという考え方もあります。 LOVETOK NOW は「今、話せます」と待機している人だけが一覧に並び、マッチングを待たずにその場でチャットを始められるサービスです(20歳以上・年齢確認あり)。地域ごとの話は出会いガイドにまとめています。
参考情報
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)|e-Gov法令検索
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則(昭和60年国家公安委員会規則第1号)|e-Gov法令検索
- 食品衛生法(昭和22年法律第233号)|e-Gov法令検索
- 食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号)|e-Gov法令検索
- 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例|東京都例規集
- 客引き等の相手方となるべき者を待つ行為を規制する区域の指定について|警視庁
- 安心して新宿の繁華街を楽しむために|警視庁新宿警察署
- 違法な客引き等について|大阪府警本部
- 風俗営業等の規制概要と営業申請(届出)手続|神奈川県警察
- 客引き行為等の規制に関する条例|一般財団法人 地方自治研究機構

