ホストは何時に起きて何時に寝る?睡眠時間と体内時計を公的資料で読む

最終更新:2026-08-18

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結論から書きます。「ホストは何時に起きて何時に寝るか」に、全国共通の答えはありません。就寝と起床の時刻は本人の好みではなく、風営法と都道府県の条例が決める閉店時刻から逆算されて動くからです。同じ職業でも、店のある地域が変われば時刻はまるごと平行移動します。

そして、この記事で主役にしたいのはその先です。時刻そのものよりも、健康と結びついているのは別の三つ——睡眠時間の「長さ」、睡眠をとる時刻帯が日によってどれだけ「ずれる」か、そして眠って休めた感覚(睡眠休養感)が得られているか。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が推奨事項として並べているのは、就寝時刻の正解ではなく、この三つです。

もうひとつ、意外に重要な線引きがあります。睡眠ガイド2023は「交替制勤務」の定義から、勤務時間帯が夜から朝までの1パターンだけの働き方を明示的に除いています。 一方、労働安全衛生法や労災の認定基準は、それを「深夜業」「深夜勤務」として別枠で扱います。夜の仕事の睡眠を考えるとき、自分がどちらに当たるのかで、当てはめるべき知見も、使える制度も変わります。

出勤から退勤までの動きそのものはホストの1日の記事で扱っています。ここでは「眠っている側」だけを取り出します。

この記事で分かること

  • 起床・就寝の時刻が、条例で決まる閉店時刻から逆算される仕組み(法第13条と条例の実例)
  • 「交替制勤務」と「固定的な深夜業」は公的資料の上で別物であること、その線引きの意味
  • 体内時計が24時間ちょうどではないこと、光がどちらの向きに時計を動かすか
  • 成人の適正な睡眠時間の目安と、短い睡眠に紐づく公的資料上のリスク
  • 勤務間インターバルという考え方と、労災認定基準に追加された「11時間」の目安
  • 休みの日の「寝だめ」がかえってリズムを壊す仕組み(社会的時差ボケ)
  • 睡眠休養感という指標が、睡眠時間と別に効いてくること
  • 飲酒とカフェインの、量と時刻の話
  • 仮眠について公的資料が示している具体的な数字(0〜4時開始・20〜50分)
  • 深夜業に従事する人に法律が用意している健康診断の枠(安衛則第45条、安衛法第66条の2)
  • どこからが医療機関に相談する目安か

なお、この記事は一般的な健康情報と法令情報の整理です。個別の体調・持病・服薬の判断はできません。 引用した研究の数値は、それぞれの調査対象(多くは日本や欧米の一般労働者)に対して得られたもので、特定の職業の人に同じ数字がそのまま当てはまることを示すものではありません。

まず、就寝時刻の起点は「決められる側」にある

法律が深夜の営業を止めている

ホストクラブという言葉に法律上の定義はありませんが、接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業なので、風営適正化法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)第2条第1項第1号の営業に当たると整理されます。同じ枠にキャバクラやスナックも入ります。

そして法第13条第1項は、こう定めています。

風俗営業者は、深夜(午前零時から午前六時までの時間をいう。以下同じ。)においては、その営業を営んではならない。

続くただし書きで、都道府県の条例に特別の定めがある場合は、条例で定める地域内に限り、午前零時以後、条例で定める時まで営業できるとされています。つまり閉店時刻は、法律だけでは決まりません。都道府県の条例と、地域区分まで見て初めて確定します。

実例:大阪府と東京都

大阪府の施行条例は、第3条で「法第十三条第一項の条例で定める時は、午前一時とする。」と定め、第5条第1項で、その延長が認められる地域を「大阪市北区及び中央区の区域のうち公安委員会規則で定める地域」としています。午前1時まで営業できるのは、大阪府全域ではなく、条例と公安委員会規則で指定された区域だけということです。

東京都の例規は逆方向の制限も置いています。住居が集合している地域については、風俗営業を営んではならない時間を「午後十一時から翌日の午前十時まで」と定めています。同じ都内でも、繁華街の中心と住宅地の近くでは閉店時刻が違う。 営業時間の細かい仕組みはホストの1日の記事にまとめてあります。

だから「何時に寝るか」は一つの数字にならない

閉店が午前0時の店と午前1時の店では、片付けと精算にかかる時間が同じでも、店を出る時刻が1時間違います。そこから帰宅し、入浴し、食事をとれば、就寝時刻はさらに後ろへ動きます。起床時刻は、その就寝時刻から睡眠時間を足した位置に来ます。

言い換えると、「ホストは昼夜逆転している」という説明は正確ではありません。 逆転しているのではなく、営業終了時刻という動かせない一点があって、生活時間の全体がそこから後ろへ平行移動している。だから閉店時刻が変われば、睡眠帯もまるごと動きます。ここを押さえると、この後の話が読みやすくなります。

「交替制勤務」と「固定的な深夜業」は、公的資料の上で別物

睡眠ガイド2023は、1パターンだけの夜勤を交替制勤務に含めていない

ここが、夜の仕事の睡眠を語るときにいちばん混同されやすい点です。「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年2月、健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会)は、交替制勤務をこう定義しています。

交替制勤務とは、始業時刻と終業時刻の組み合わせ(勤務時間帯)が固定されず、日ごとあるいは一定の期間ごとに勤務時間帯が変化する勤務形態を指します。勤務時間帯が夜から朝までの1パターンのみの場合は交替制勤務には含まれません。

同ガイドは、わが国の労働者のうち交替制勤務者は10〜20%弱を占め、特に製造業で高いとしています。

接客の営業時間がほぼ毎日同じ店で働いているなら、この定義上は「交替制勤務」ではありません。「固定的な深夜勤務」に近い形です。これは細かい言葉遊びではなく、実務的な意味があります。日勤と夜勤を行き来する人向けの助言(シフトの順序を工夫する、夜勤明けを日勤リズムに戻す等)は、毎日同じ時刻に働く人にはそのまま当てはまらないからです。

一方、法律と労災認定基準は「深夜業」を別枠で見ている

労働安全衛生法第66条の2は、深夜業を次のように定義しています。

午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間における業務(以下「深夜業」という。)

シフトが変わろうが固定だろうが、この時間帯に働けば深夜業です。そして厚生労働省が令和3年9月に改正した「脳・心臓疾患の労災認定基準」は、労働時間以外の負荷要因として「勤務時間の不規則性」を挙げ、その中に

  • 拘束時間の長い勤務
  • 休日のない連続勤務
  • 勤務間インターバルが短い勤務
  • 不規則な勤務・交替制勤務・深夜勤務

を列挙しています。「不規則な勤務」「交替制勤務」「深夜勤務」が並列に置かれている——ここが睡眠ガイドの定義との違いです。

この線引きが実用的な理由

固定的な深夜勤務には、理屈の上ではひとつだけ有利な点があります。毎日同じ時刻に眠るなら、体内時計をその時刻帯に寄せる余地があるということです。日勤と夜勤を行き来する人は、その余地がありません。

ただしこの利点は、条件付きです。休みの日や、昼に用事がある日に朝型へ戻れば、寄せた時計はそのたびに引き戻されます。「固定夜勤だから体が慣れる」が成り立つのは、休日も含めて時刻帯を大きく崩さない場合に限られる。 この点は後半の「社会的時差ボケ」でもう一度出てきます。

体内時計は24時間ちょうどではない——だから毎日「時刻合わせ」がいる

周期は平均24時間10分前後

厚生労働省のe-ヘルスネットは、概日リズムについてこう説明しています。概日リズムとは、睡眠や体温、血圧、心拍、多くのホルモン分泌、免疫機能、代謝など、生体機能の大部分を司る約24時間周期のリズムのこと。そしてヒトの体内時計の周期は、白人でも日本人でも平均すると24時間10分前後で、24時間よりも若干長いとされています。

24時間より長いということは、放っておくと毎日少しずつ後ろへずれていくということです。だから毎日の時刻合わせが必要になります。その時刻合わせの主な手段が、光です。

光は「浴びる時刻」で向きが変わる

睡眠ガイド2023は、光の作用の向きをはっきり書いています。

光には体内時計を調整する作用があり、一般的には朝に光を浴びると体内時計が前進(早寝・早起き化)し、夕方以降に光を浴びると体内時計が後退(遅寝・遅起き化)します

さらに環境づくりの章では、起床後に朝日の強い光を浴びることで体内時計はリセットされ、睡眠・覚醒リズムが整い、脳の覚醒度が上昇すること、日中に光を多く浴びることで夜間のメラトニン分泌量が増加すること、これらの効果は1,000ルクス以上の照度の光を日中に浴びることで得られることが示されています。また、就寝の約2時間前から睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌が始まり、それ以降に照明やスマートフォンの強い光を浴びると分泌が抑制され、睡眠・覚醒リズムが遅れ、入眠が妨げられると報告されています。

体内時計への影響がとくに強いのは短波長光(ブルーライト)です。ガイドのコラムによれば、体内時計を調節する光の受容細胞である光感受性網膜神経節細胞は、メラノプシンという感光色素を含み、460〜480nm付近の短波長光に感受性のピークがあります。

夜の仕事に当てはめると、どこが効いてくるか

ここまでを、閉店後の時間に重ねてみます。

退勤して外に出る時刻が明るくなり始めた頃なら、そこで浴びる光は「朝の光」として働きます。 つまり体内時計を前進(早寝・早起き方向)させる向きです。夜型に寄せたい体に、逆向きの信号が退勤のたびに入ることになります。

睡眠ガイド2023も、遮光やサングラスで体内時計を勤務に適応させる試みがあることに触れたうえで、率直に限界を書いています。

しかし、実生活では1日当たりに修正(前進・後退)できる体内時計の時間は数分から数時間程度であるため、この方法では交替制勤務に合わせて体内時計を適応させることが困難であることに加え、時に翌日以降の生活に悪い影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

「遮光さえすれば解決する」という話ではない、と公的資料自身が言っています。同時にガイドは「可能であれば、夜勤中に職場で強い照明を避けるようにしましょう」とも書いており、e-ヘルスネットは交代勤務睡眠障害の対策として高照度光照射・夜間勤務中の仮眠・日中の遮光を挙げています。光を「浴びる」のか「避ける」のかは、体内時計をどちらに寄せたいのかで逆になる——だから一律の正解が書けないのです。自分の勤務形態と休日の過ごし方をセットで考える必要があり、判断に迷う場合は医療機関に相談するのが確実です。

「何時に寝るか」より「何時間寝るか」

成人の目安は6〜8時間、少なくとも6時間以上

睡眠ガイド2023の成人版の推奨事項は、就寝時刻ではなく時間の長さから始まります。

適正な睡眠時間には個人差があるが、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する。

本文では、これまでの科学的知見に基づくと成人ではおおよそ6〜8時間が適正な睡眠時間と考えられ、1日の睡眠時間が少なくとも6時間以上確保できるよう努めることが推奨される、としています。同時に個人差にも触れ、6時間未満でも充足する人も8時間以上必要な人もいること、成人では8時間より1時間程度長い睡眠時間も適正な範疇と考えられること、日中の眠気や睡眠休養感に応じて各個人に必要な睡眠時間を自ら探る必要があることを明記しています。

短い睡眠に紐づいて報告されている数字

同ガイドが挙げている調査研究には、次のようなものがあります。

  • 日本人の男性労働者約4万人を7年間追跡した研究で、睡眠時間が1日5時間未満の人は5時間以上の人と比べ、肥満になるリスクが1.13倍、メタボリックシンドロームの発症リスクが1.08倍と有意に上昇
  • 日本の男性労働者2,282人を14年間追跡した研究で、睡眠時間が1日6時間未満の人は7時間以上8時間未満の人と比べ、心筋梗塞・狭心症などの心血管疾患の発症リスクが4.95倍
  • 世界中で行われた研究を系統的に収集し92万人分のデータを解析した結果、睡眠時間が6時間未満になると死亡リスクが有意に上昇

そして、複数の自己申告に基づく調査研究から、7時間前後の睡眠時間の人が生活習慣病やうつ病の発症および死亡に至るリスクが最も低く、これより長い睡眠も短い睡眠もリスクを増加させると報告されています。長ければよいという話でもない、ということです。

現状の数字

同ガイドが引く令和元年国民健康・栄養調査では、労働世代である20〜59歳の各世代で、睡眠時間が6時間未満の人が約35〜50%を占め、5時間未満の人に限定しても約5〜12%と高率です。

参考までに、総務省統計局の令和3年社会生活基本調査では、週全体の1日あたり睡眠時間は平均7時間54分(2016年の7時間40分から14分増)です。ただしこれは10歳以上の全体平均であり、夜の仕事に従事する人だけを取り出した公的な睡眠統計は見当たりません。 この記事でも、その種の数字を作ることはしません。

労働時間が長いと、睡眠時間は削られる

睡眠ガイドのコラムは、労働時間と睡眠時間の関係を具体的に示しています。1日当たりの労働時間が7時間以上9時間未満の人を基準にすると、睡眠時間が6時間未満になるリスクは、労働時間が9時間以上の人で男性2.76倍・女性2.71倍、11時間以上の人で男性8.62倍・女性5.59倍に増加すると報告されています。さらに時間外労働が1日当たり5時間を超えると睡眠時間は著明に短くなるとの報告もあります。

「気合いで睡眠を削る」以前に、拘束時間の長さそのものが睡眠時間を規定しているという構図です。

拘束は閉店で終わらない——勤務間インターバルという考え方

制度としての位置づけ

労働時間等の設定の改善に関する特別措置法第2条第1項は、事業主の努力義務として次のように定めています。

事業主は、その雇用する労働者の労働時間等の設定の改善を図るため、業務の繁閑に応じた労働者の始業及び終業の時刻の設定、健康及び福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定、年次有給休暇を取得しやすい環境の整備その他の必要な措置を講ずるように努めなければならない。

この「終業から始業までの時間の設定」が、いわゆる勤務間インターバルです。義務ではなく努力義務である点は正確に押さえておく必要があります。

労災認定基準に入った「11時間」

令和3年9月の脳・心臓疾患の労災認定基準の改正で、「勤務間インターバルが短い勤務」が労働時間以外の負荷要因として新たに追加されました。厚生労働省のリーフレットは「『勤務間インターバル』とは、終業から次の勤務の始業までをいいます」と注記しています。実務上の目安として11時間が用いられ、認定審査では、インターバルが11時間未満の勤務の有無・時間数・頻度・連続性などが確認されるとされています。

睡眠ガイド2023も、日本の労働者を対象とした調査で、インターバル時間が12時間未満の者は、睡眠休養感の欠如、疲労感の増加、ストレスをより感じていることが報告されていると書いています。そのうえで、同ガイドは重要な補足を置いています。

勤務間インターバル制度は、長時間労働が生じやすく、交替制勤務等の勤務形態が不規則になりがちな職種においては、睡眠時間を確保する上で有用である一方で、健康的な睡眠をとるためには、規則正しいスケジュールで睡眠時間を確保することも重要です。

つまり、「休みを長く取れればいい」のではなく、「睡眠をとる時刻帯が日によって著しくずれないこと」も同時に必要だということです。

夜の仕事でインターバルが削られやすい場所

営業が終わっても、片付け、伝票と売上の確認、翌日の準備が残ります。さらに出勤前には連絡や予定調整が入ります(このあたりの実際の並びはホストの1日の記事にあります)。インターバルは「閉店から開店まで」ではなく「拘束が切れてから次の拘束が始まるまで」で見ないと、実態とずれます。

ひとつ注意点があります。ここまでに挙げた労働基準法・労働安全衛生法・労災認定基準の枠組みは、いずれも労働者に適用されるルールです。業務委託契約で働いている場合、同じ時間帯に同じ仕事をしていても、これらが直接には適用されません。自分の契約が実態としてどちらなのかは、確認しておく価値があります。

休みの日の「寝だめ」が、かえってリズムを壊すことがある

社会的時差ボケ

睡眠ガイド2023は、平日の睡眠不足を休日に取り戻そうとする習慣について、はっきり否定的です。

平日の睡眠不足(睡眠負債)を、休日に取り戻そうと長い睡眠時間を確保する「寝だめ」の習慣がある人は少なくありませんが、このような習慣で、実際には眠りを「ためる」ことはできません。

国際的には週末の眠りの取り戻し(Weekend catch-up sleep)と呼ばれ、毎週末(休日)に時差地域への旅行を繰り返すことに類似していることから、社会的時差ボケ(Social Jetlag)とも呼ばれる、と説明されています。社会的時差ボケは、慢性的な睡眠不足による悪影響と、頻回に体内時計のずれが生じることによる悪影響の両側面を持ち、肥満や糖尿病などの生活習慣病、脳血管障害や心血管系疾患、うつ病の発症リスクとなることが報告されています。

「寝だめ」が効く条件は、かなり限定的

40〜64歳の成人を対象とした近年の調査として、ガイドは次の結果を紹介しています。

  • 平日6時間以上寝ている人に限り、休日の1時間程度の寝だめは寿命短縮リスクを低下させる
  • 平日6時間未満の睡眠時間の人は、休日に寝だめをしても寿命短縮リスクが有意に高まる
  • 平日6時間以上寝ていても、休日に2時間以上の寝だめ習慣がある人は、寿命短縮リスクが軽減されない

そしてガイドは、休日に長時間の睡眠が必要な場合は平日の睡眠時間が不足しているサインであり、平日に十分な睡眠時間を確保できるよう睡眠習慣を見直す必要がある、と結論づけています。

夜の仕事にとって、ここがいちばん現実的な論点

固定的な深夜勤務の人にとって、体内時計を崩す最大の要因は、営業日ではなく休みの日である可能性があります。通院、行政の窓口、家族や友人の予定、日中に行われる用事——これらはほぼすべて昼の時間割で動いています。休みのたびに昼型へ引き戻されれば、毎週、時差地域への往復を繰り返すのと似た状態になります。

現実には昼の用事をゼロにはできません。 だからここで書けるのは「昼の予定を入れるな」ではなく、次のような整理です。

  • 休日の起床時刻を、営業日からどれだけ動かすかという量の問題として扱う(2時間以上の寝だめが軽減効果を失うという報告がある)
  • 昼の用事は、可能なら同じ曜日にまとめるほうが、毎日少しずつずらすより時刻帯の乱れが小さくなりうる
  • 休日に長く眠らないと持たない状態が続くなら、それは平日の睡眠時間そのものを見直すサインとして読む

いずれも一般的な考え方であり、個別の体調に対する助言ではありません。

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睡眠時間と別に効いてくる指標——「睡眠休養感」

何を指しているか

睡眠ガイド2023が成人版の推奨事項に据えているもう一つの柱が、睡眠休養感(睡眠で休養がとれている感覚)です。ガイドは、睡眠には1日の活動で蓄積した疲労やストレスから回復させる重要な役割があるため、この感覚を向上させることも重要だとしています。

報告されている関連は、次のようなものです。

  • 日本での追跡調査で、睡眠休養感の高さが心筋梗塞・狭心症・心不全といった心血管疾患の発症率低下と関連し、若年成人と女性でこの関連が顕著
  • 睡眠休養感の低下は、肥満・糖尿病・脂質異常症を含めた代謝機能障害と関連(日本の追跡調査)
  • 睡眠休養感の低下が、寝つきの悪さや頻回の中途覚醒などの不眠症状とは独立して、うつ病発症と関連(米国の縦断調査)

そしてとくに注目に値するのが次の点です。米国の調査では、40〜64歳の成人(働く人)で睡眠時間が短い場合は死亡リスクが増加しますが、睡眠休養感が確保されている場合には死亡リスクが増加しないとされています。

睡眠時間を思うように伸ばせない働き方の人にとって、ここは手がかりになりうる部分です。 ただし「休養感さえあれば短時間睡眠でよい」という読み方は誤りで、ガイドはあくまで6時間以上の確保を推奨したうえで、休養感を並置しています。

現状と、休養感を下げる要因

近年の国民健康・栄養調査によると、睡眠で休養がとれている人の割合はおおよそ8割程度で、特に20歳以上の成人で7割程度と低く、年々減少傾向にあるとされています。

ガイドが挙げる、睡眠休養感を低下させる要因は次のとおりです。

  • 睡眠不足
  • 仕事などによる日中のストレス
  • 就寝直前の夕食や夜食、朝食抜きなどの食習慣の乱れ
  • 運動不足、歩行速度の遅さなどの運動習慣の不良
  • 糖尿病、高血圧、がん、うつ病などの慢性疾患を有すること

「就寝直前の食事」は、閉店後に食事をとってから寝る生活と正面からぶつかります。 ここは時刻をずらす余地があるかどうか、検討する価値のある項目です。

飲酒とカフェイン——量と、時刻の話

飲酒を伴う職場で働く人にとって、この節はおそらくいちばん実務的です。やめろという話ではなく、量と時刻の話として書きます。

アルコール

睡眠ガイド2023のポイント欄は、「晩酌での深酒や、眠るためにお酒を飲むこと(寝酒)は、睡眠の質を悪化させる可能性がある」としています。本文の説明はこうです。

アルコール(エタノール)は一時的には寝つきを促進し、睡眠前半では深い睡眠を増加させます。しかし、睡眠後半の眠りの質は顕著に悪化し、飲酒量が増加するにつれて中途覚醒回数が増加することが報告されています。

「寝つきがいいから大丈夫」という自己判断が外れやすいのは、この前半と後半の非対称性のためです。

同ガイドのQ&Aには、まさにこの状況を想定した問答があります。「仕事上の理由で夜にお酒をよく飲むのですが、睡眠に悩んだことはありません。飲酒を続けても良いでしょうか?」という問いに対し、少量の飲酒であれば眠る前にアルコールやアセトアルデヒドの多くは代謝されるが、多量飲酒では高率に睡眠に悪影響が生じること、アルコール代謝能力には性差・個人差があり、加齢によっても低下するため飲酒量には注意が必要、と答えています。

寝酒については、別のQ&Aで踏み込んだ注意が書かれています。眠るために飲む酒は睡眠に強く悪影響を及ぼすこと、そして毎日寝酒を続けている場合は急にやめると離脱等によって不眠となることがあるため、週単位で徐々に量を減らすか、医療機関で相談しながら断酒するとよい、としています。急にやめる方法を勧めていない点は重要です。

カフェイン

ポイント欄は二つの数字を示しています。1日400mg(コーヒーを700cc程度)を超えると夜眠りにくくなる可能性があること、そして夕方以降の摂取は夜間の睡眠に影響しやすいことです。400mgの目安は、ドリップコーヒーで珈琲カップ4杯分(700cc)、市販のペットボトルコーヒーで1.5本分(750cc)に含まれる量とされています。米国FDA、欧州食品安全機関(EFSA)、カナダ政府なども、成人の1日当たりの上限摂取量として400mgを推奨しています。

時刻の話がここに重なります。日本人の血中半減期は3〜7時間とばらつきがあり、ガイドは半減期5時間の例として、朝9時に400mgを一度に摂取すると14時に200mg相当、19時に100mg相当が体内に残ると説明しています。さらに、19時に100mgを摂取すると24時になっても50mg分が残存するため睡眠に悪影響を与える可能性がある、としています。

18〜65歳の成人を対象とした系統的レビューでは、次のように報告されています。

  • カフェイン摂取量が107mgを超過すると、摂取時刻が就寝時刻の約9時間前であっても夜間の睡眠に影響する
  • カフェイン摂取量が217.5mgを超過すると、約13時間前の摂取であっても夜間の睡眠に影響する

就寝が明け方に寄る生活では、「夕方以降は控える」という一般向けの助言をそのまま使えません。 使えるのは元になっている考え方のほう——就寝予定時刻から逆算して何時間前かという見方です。加えてガイドは、エナジードリンクにはコーヒーの5倍近いカフェインを含有する製品が存在すること、慢性的な摂取では効果が減弱し依存も生じることを指摘しています。日中(活動時間帯)の眠気が改善しない場合は医師に相談するよう勧めています。

仮眠——公的資料が具体的な数字を出している数少ない項目

睡眠ガイド2023の交替制勤務の章は、仮眠について踏み込んだ数字を書いています。

  • 0〜4時に開始する20〜50分間の仮眠は、眠気や仕事効率、疲労を改善させることが報告されている
  • 一方、仮眠時間を60分間と長めに設定した研究では、かえって仕事の効率が低下したと報告されている。仮眠が長すぎると眠りが深まり、覚醒後の強いぼんやり感(睡眠慣性)が生じやすいため
  • 対策として、コーヒーなどでカフェインを摂取してから仮眠を開始すると、カフェインの覚醒効果により仮眠後の覚醒が容易になり、睡眠慣性も生じにくくなるとの報告がある
  • 夜勤中の仮眠が夜勤後の睡眠に及ぼす影響については、多くの研究でほとんどないとされている
  • 夜勤前に仮眠をとることが、夜勤中の眠気や仕事効率の低下に有効という報告もある

ただし、ここで現実的な但し書きが必要です。接客が続く営業時間中に仮眠をとれるかどうかは、店の体制次第です。 ガイド自身も、この項目を働く個人への助言だけで終わらせず、次のように書いています。

夜勤中に適切に仮眠がとれるよう、休養時間の確保や静かで快適に休養できる場所の整備についても、検討することが望まれます。

環境整備の話として書かれているという点は、押さえておく価値があります。そして、営業中の仮眠が難しい場合に残る選択肢が「夜勤前の仮眠」です。出勤前の時間の使い方は、比較的自分で決められる部分に属します。

健康リスクと、法律が用意している健診の枠

報告されているリスク(交替制勤務の研究として)

睡眠ガイド2023は、交替制勤務に従事していない人と比較して、従事者ではメタボリックシンドロームの発症リスクが1.06倍、心血管系疾患の発症リスクが1.15倍増加することが報告されているとしています。さらに乳がん・前立腺がんなどの悪性腫瘍、うつ病、認知症の発症リスクが高くなるという報告もあるとしたうえで、認知症については英国の大規模調査研究で可能性が報告された段階であり「今後異なる人種や文化圏でも同様の影響が認められるか、検討が進むと思われます」と、確定した結論として書いていません。

これらは交替制勤務者を対象とした研究の数字です。 前述のとおり、ガイドの定義では夜〜朝の1パターンのみの勤務は交替制勤務に含まれないため、固定的な深夜勤務の人にそのまま当てはまるとは限りません。同時に、労災認定基準が深夜勤務を並列の負荷要因として挙げていることも事実です。どちらか一方だけを根拠に断定しないのが、いまの公的資料の読み方として妥当です。

なお、なぜこうしたことが起きるのかについて、e-ヘルスネットは「交代勤務睡眠障害」の項でこう説明しています。深部体温リズムやメラトニン・コルチゾールなどのホルモンリズムは、夜間勤務に伴う睡眠スケジュールに完全に同調しにくい。 睡眠と覚醒だけを動かしても、体の他のリズムがついてこない——これが根にあります。典型的な症状として、夜間の勤務を終えて朝方から睡眠をとる際になかなか寝付けず、寝付いても何回も途中で目が覚めてしまうこと、起床後に疲労回復感が乏しいことが挙げられています。

深夜業に従事する人向けの健康診断

法律には、深夜業に従事する労働者向けの枠が用意されています。

労働安全衛生規則第13条第1項第3号ヌは、産業医の専属要件などにかかる業務のひとつとして「深夜業を含む業務」を挙げています。そして同規則第45条(特定業務従事者の健康診断)は、こう定めます。

事業者は、第十三条第一項第三号に掲げる業務に常時従事する労働者に対し、当該業務への配置替えの際及び六月以内ごとに一回、定期に、第四十四条第一項各号に掲げる項目について医師による健康診断を行わなければならない。

通常の定期健康診断が1年以内ごとに1回であるのに対し、深夜業を含む業務に常時従事する労働者は6か月以内ごとに1回、というのがこの条文の骨子です(一部の項目は1年以内ごとで足りるとされています)。

さらに労働安全衛生法第66条の2は、深夜業に従事する労働者が、自ら受けた健康診断の結果を証明する書面を事業者に提出することができると定めています(自発的健康診断の結果の提出)。その対象要件は労働安全衛生規則第50条の2に置かれています。

法第六十六条の二の厚生労働省令で定める要件は、常時使用され、同条の自ら受けた健康診断を受けた日前六月間を平均して一月当たり四回以上同条の深夜業に従事したこととする。

過去6か月間を平均して1か月当たり4回以上の深夜業、というのが数値基準です。

繰り返しになりますが、これらはいずれも労働者に適用される規定です。契約の実態がどちらなのかで、使える制度が変わります。

「時刻」のうち、自分で決められる部分はどこか

最後に整理します。

決められない側にあるもの

  • 閉店時刻(風営法第13条と都道府県の条例・地域区分で決まる)
  • 営業中の時間帯そのもの
  • 昼の社会の時間割(役所、医療機関、家族や友人の予定)

決められる余地があるもの(一般論として)

  • 出勤前の時間の使い方(睡眠ガイドは夜勤前の仮眠が有効とする報告に触れています)
  • 退勤後に浴びる光の量(体内時計をどちらに寄せたいかで判断が逆になるため、迷うなら医療機関に相談)
  • 飲酒の量と、寝る前に飲むかどうか
  • カフェインの総量と、就寝予定時刻から何時間前に摂るか
  • 就寝直前の食事をずらせるかどうか
  • 寝室の環境。睡眠ガイドは、寝室にはスマートフォンやタブレット端末を持ち込まず、できるだけ暗くして寝ること、暑すぎず寒すぎない温度にすること、就寝の約1〜2時間前に入浴して身体を温めてから寝床に入ると入眠しやすくなること、できるだけ静かな環境でリラックスできる寝衣・寝具で眠ることを挙げています
  • 休日の起床時刻を、営業日からどれだけ動かすか

医療機関に相談する目安

睡眠ガイド2023は、交替制勤務の章の冒頭に、判断の基準をそのまま書いています。

不眠や睡眠休養感の低下、業務中の眠気が続き、日常生活に支障を来している場合は速やかに医療機関を受診する。

同じ章の締めくくりでも、ガイドで推奨している対策が参考にならない場合もあると認めたうえで、記載内容を実践しても不眠・睡眠休養感の低下・覚醒時(業務中)の眠気が続き、生活に支障を来している場合は医療機関の受診を勧めるとしています。

「生活に支障が出ているか」が線引きです。 睡眠時間の数字や、何時に寝ているかではありません。

よくある質問

Q1. 結局、ホストは何時に寝て何時に起きるのですか。 全国共通の時刻はありません。閉店時刻は風営法第13条第1項が原則として午前0時から午前6時までの営業を禁じたうえで、都道府県の条例と地域区分によって変わります。たとえば大阪府の条例は延長できる時を午前1時とし、その地域を大阪市北区・中央区のうち公安委員会規則で定める地域に限っています。東京都の例規は、住居が集合している地域について午後11時から翌日の午前10時までを営業できない時間としています。閉店後に片付けと精算があり、そこから帰宅・入浴・食事を経て就寝するため、就寝時刻は閉店時刻から後ろへ動き、起床時刻はそこに睡眠時間を足した位置に来ます。 数字を一つに決めることはできません。

Q2. 昼夜逆転していると健康に悪いのですか。 「逆転しているかどうか」より、公的資料が指標にしているのは睡眠時間の長さ・時刻帯のずれの大きさ・睡眠休養感です。睡眠ガイド2023は成人に6時間以上を目安とし、休日の寝だめによる「社会的時差ボケ」が肥満・糖尿病などの生活習慣病、脳血管障害・心血管系疾患、うつ病の発症リスクとなると報告されていることを挙げています。交替制勤務についてはメタボリックシンドローム1.06倍・心血管系疾患1.15倍などの報告がありますが、同ガイドは夜から朝までの1パターンのみの勤務を交替制勤務の定義から除いているため、固定的な深夜勤務の人にそのまま当てはまるとは限りません。

Q3. 夜勤に体は慣れますか。 e-ヘルスネットは、深部体温リズムやメラトニン・コルチゾールなどのホルモンリズムは夜間勤務に伴う睡眠スケジュールに完全に同調しにくいと説明しています。また睡眠ガイド2023は、実生活で1日当たりに修正できる体内時計の時間は数分から数時間程度であり、遮光などで勤務に体内時計を適応させるのは困難だとしています。「慣れる」を体内時計が完全に移動する意味で使うなら、公的資料はそれを支持していません。

Q4. 休みの日にたくさん寝れば取り返せますか。 睡眠ガイド2023は「このような習慣で、実際には眠りを『ためる』ことはできません」と明記しています。40〜64歳の成人を対象とした調査では、平日6時間以上寝ている人に限り休日の1時間程度の寝だめが寿命短縮リスクを低下させる一方、平日6時間未満の人は寝だめをしても寿命短縮リスクが有意に高まり、平日6時間以上でも休日に2時間以上の寝だめ習慣がある人はリスクが軽減されないと報告されています。休日に長く眠らないと持たない状態は、平日の睡眠が足りていないサインとして読むべきだ、というのがガイドの整理です。

Q5. 帰宅後にお酒を飲んで寝るのは良くないのですか。 睡眠ガイド2023は、アルコールが一時的には寝つきを促進し睡眠前半では深い睡眠を増加させるものの、睡眠後半の眠りの質は顕著に悪化し、飲酒量が増加するにつれて中途覚醒回数が増加すると報告されているとしています。寝酒については、毎日続けている場合に急にやめると離脱等によって不眠となることがあるため、週単位で徐々に減らすか、医療機関で相談しながら断酒するのが良いとされています。急に断つ方法は勧められていません。

Q6. コーヒーやエナジードリンクは何時まで大丈夫ですか。 一律の時刻では答えられません。睡眠ガイド2023は1日の総量400mg(コーヒー700cc程度)を上限の目安とし、日本人の血中半減期が3〜7時間とばらつくことを示しています。系統的レビューでは、107mg超なら就寝の約9時間前、217.5mg超なら約13時間前の摂取でも夜間の睡眠に影響したと報告されています。時計の時刻ではなく、就寝予定時刻から何時間前かで考えるのが、この資料の使い方です。 エナジードリンクにはコーヒーの5倍近いカフェインを含む製品も存在するとされています。

Q7. 営業中に眠くなります。仮眠は取ったほうがいいですか。 睡眠ガイド2023は、0〜4時に開始する20〜50分間の仮眠が眠気・仕事効率・疲労を改善させると報告されている一方、60分と長めに設定した研究では覚醒後の睡眠慣性のためかえって効率が低下したとしています。カフェインを摂ってから仮眠を始めると覚醒が容易になり睡眠慣性も生じにくいとの報告もあります。ただし接客中に仮眠がとれるかは店の体制次第で、ガイド自身が休養時間の確保や休養場所の整備を検討課題として挙げています。 夜勤前の仮眠が有効という報告もあるため、出勤前の時間で調整する方が現実的な場合もあります。

Q8. 深夜に働いていると、健康診断は普通の人と違うのですか。 労働者であれば違います。労働安全衛生規則第45条は、深夜業を含む業務に常時従事する労働者に対し、配置替えの際および6か月以内ごとに1回の健康診断を事業者に義務づけています(一部項目は1年以内ごと)。また労働安全衛生法第66条の2により、深夜業に従事する労働者は自ら受けた健康診断の結果を証明する書面を事業者に提出することができ、その要件は同規則第50条の2で「過去6か月間を平均して1か月当たり4回以上の深夜業」とされています。深夜業の定義は原則として午後10時から午前5時までです。ただしこれらは労働者に適用される規定であり、業務委託契約の場合は直接には適用されません。

Q9. どうなったら病院に行くべきですか。 睡眠ガイド2023は「不眠や睡眠休養感の低下、業務中の眠気が続き、日常生活に支障を来している場合は速やかに医療機関を受診する」としています。生活習慣や睡眠環境を見直しても改善しない場合も同様です。睡眠の不調が長く続く場合、背後に睡眠障害が潜んでいることがあるとも書かれています。睡眠時間の数字ではなく、支障が出ているかどうかが目安です。

まとめ

  • 起床・就寝の時刻に全国共通の答えはない。風営法第13条第1項が原則として午前0時〜午前6時の営業を禁じ、延長できる時刻と地域は都道府県の条例で決まる(大阪府は午前1時、地域は大阪市北区・中央区の一部。東京都は住居集合地域で午後11時〜午前10時を禁止)。閉店時刻が動けば、睡眠帯もまるごと動く
  • 「昼夜逆転」ではなく、動かせない営業終了時刻を起点に、生活時間全体が後ろへ平行移動している構造
  • 睡眠ガイド2023は、勤務時間帯が夜から朝までの1パターンのみの場合を「交替制勤務」の定義から除いている。一方、労働安全衛生法と労災認定基準は「深夜業」「深夜勤務」を別枠で扱う。自分がどちらかで、当てはめる知見も使える制度も変わる
  • 体内時計の周期は平均24時間10分前後で24時間より長く、毎日の時刻合わせがいる。光は朝に浴びれば前進、夕方以降に浴びれば後退。ただしガイドは、1日に修正できるのは数分から数時間程度で、遮光による適応は困難だと明記している
  • 成人の目安はおおよそ6〜8時間、少なくとも6時間以上。日本の追跡調査では6時間未満で心血管疾患の発症リスク4.95倍、92万人分の解析では6時間未満で死亡リスクが有意に上昇との報告
  • 労働時間が長いほど睡眠は削られる。9時間以上で6時間未満睡眠のリスクは男性2.76倍、11時間以上で8.62倍
  • 勤務間インターバルは労働時間等設定改善法第2条の努力義務。令和3年の労災認定基準改正で「勤務間インターバルが短い勤務」が負荷要因に追加され、目安は11時間。日本の調査では12時間未満で睡眠休養感の欠如・疲労感の増加が報告
  • 休日の寝だめでは眠りを「ためる」ことはできない。平日6時間未満なら寝だめしても寿命短縮リスクは有意に高まり、休日2時間以上の寝だめ習慣ではリスクが軽減されない
  • 睡眠時間と並んで重要なのが睡眠休養感。40〜64歳では、睡眠時間が短くても休養感が確保されていれば死亡リスクが増加しないとの報告がある。就寝直前の食事は休養感を下げる要因として挙げられている
  • 飲酒は寝つきを促進するが睡眠後半の質を顕著に悪化させる。寝酒は急にやめると離脱で不眠となることがあり、週単位で減らすか医療機関で相談する
  • カフェインは1日400mgが目安。時計の時刻ではなく、就寝予定時刻から何時間前かで考える
  • 仮眠は0〜4時開始・20〜50分が推奨され、60分は逆効果との報告。カフェインを摂ってから仮眠すると睡眠慣性が生じにくい。営業中に取れない場合は出勤前の仮眠という選択肢がある
  • 労働者であれば、深夜業を含む業務に常時従事する場合は6か月以内ごとに1回の健康診断(安衛則第45条)、自発的健康診断の結果提出(安衛法第66条の2、要件は月4回以上)という枠がある。業務委託契約では直接適用されない
  • 医療機関に相談する目安は、睡眠時間の数字ではなく「日常生活に支障を来しているか」

本記事は一般的な健康情報および法令情報の整理であり、個別の体調・持病・服薬に関する医学的判断や、個別の事案に対する法的判断を示すものではありません。引用した研究の数値は、それぞれの調査対象について得られた結果です。営業時間の制限は都道府県の条例や地域区分によって異なり、法令は改正されることがあります。体調に不安がある場合は医療機関に、労働条件については労働基準監督署にご相談ください。


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